腸内フローラの改善には食事が大事!腸内を整える食べ物とは?

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腸に生息する菌腸には様々な菌が生息しています。

人間によい影響を与える「善玉菌」、悪い影響を与える「悪玉菌」、どっちつかずな「日和見菌」です。

そして更にその中に、太りやすい体質にしてしまうデブ菌(フィルミクテス門の菌)や、痩せやすい体質にする痩せ菌(バクテロイデス門の菌)。

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これらの菌のバランスには食生活が大きく関わっています。普段からどんな食事を食べればいいか、気になるポイントを解説します。

食物繊維が善玉菌を増やす

腸の菌のバランス腸内環境が良い状態とは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが良い状態のことを言います。

乱れた食生活をしていると悪玉菌が優勢となり、腸内環境が悪くなってしまいます。

腸内フローラの改善には、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌を増やすことが大切です

善玉菌を増やすのに必要なのは「食物繊維質」で、善玉菌は食物繊維をエネルギー源(エサ)として増殖します。

そして痩せ菌と呼ばれるバクテロイデス門の菌も、同様に食物繊維をエサとして増殖するのです。

乳酸菌は食物繊維をエネルギー源に増殖し、その過程で乳酸を生産します。ビフィズス菌は酢酸、酪酸菌は酪酸、バクテロイデス門の菌は各種短鎖脂肪酸と人間の体によい影響を及ぼす代謝物を作り出してくれます。乳酸は厳密には短鎖脂肪酸ではありません。しかし人間によい影響を及ぼします。


つまり、セルロースやリグニン、キチン、ペクチンなどの食物繊維やオリゴ糖が、腸内フローラの改善のために重要な栄養素となります。

それでは繊維質の成分が多く含まれる食べ物を紹介していきます。

エシャレット(らっきょう)

エシャレットエシャレットはなかなか聞きなれない野菜ですが、ヨーロッパで広く食べられるネギ科の植物です。ネギ科らしい独特の風味があり、らっきょうのようなイメージです。

エシャレットは非常に食物繊維が多い野菜で、特に腸内で発酵する作用の強い「水溶性食物繊維」が多いです。

エシャレットには、100g中におよそ9gの水溶性食物繊維と2gの不溶性食物繊維が含まれており、これは成人男女の食物繊維の1日の摂取目標の半分以上です。

なかなか量を食べられる野菜ではありませんが、近年日本でも広まり、みそやマヨネーズにつけてスティックサラダの感覚で食べることも増えています。ネギ科特有の硫化アリル(※)なども含んでいるため、健康維持にお勧めです。

※硫化アリルとは、ネギやニンニクの刺激臭のもととなっている成分。強い抗菌作用があるほか、動脈硬化を予防したり疲労を回復したりする効果があります。

いんげん豆

いんげん煮物にすることが多い、いんげん豆も非常に食物繊維が豊富です。

いんげん豆はエシャレットとは異なり、水に溶けない性質の「不溶性食物繊維」が多く含まれています。

不溶性食物繊維は噛みごたえがあり食欲を抑制し、腸内で水分を吸収して膨張しぜん動運動(便の排泄を促す運動)を促進させる作用があります。

また腸内の悪玉菌が生産した有害な毒素や余計な脂質、コレステロールを吸着して排出する作用もあります。

いんげん豆には、100g中におよそ11gの不溶性食物繊維と2gの水溶性食物繊維が含まれており、食物繊維が非常にの豊富な食品です。

そのほかカルシウムやマグネシウム、鉄分、亜鉛など不足しやすいミネラルも多いため、栄養補給に適しています。

ちなみに「さやいんげん」は、いんげん豆の若いさやで、栄養素の面では別物です。食物繊維の摂取をしたいときにはインゲン豆を選びましょう。

あずきやひよこ豆にも、いんげん豆と同程度の食物繊維が含まれています。

おから

おからおからは大豆から豆乳を絞ったあとの「カス」のようなものです。しかし食物繊維の面では絞った豆乳や、豆乳から作った豆腐、がんもどき、などよりも優れています。

いんげん豆と同じく「不溶性食物繊維」が豊富で、余計な脂質を体外に排出したり食欲を抑えることでダイエット効果やメタボ対策に役に立つ食べ物です。

おからには、100g中におよそ11gの不溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維はごくわずかです。

大豆には脂質や糖質がかなり含まれているため、カロリーが高くなってしまいがちです。しかし、おからはこれらが絞られた後のため、低脂質で、低糖質、かつ高タンパク質になっています。

ダイエットをしたい人が主食と置き換えて食べるのにも適しているでしょう。女性に嬉しいイソフラボンが含まれていることもポイントです。

ごぼう

ごぼう食物繊維質の代表とも言える食材のゴボウですが、食物繊維の含有量という面ではそこまで多いわけではありません。

ゴボウには、100g中に水溶性食物繊維がおよそ3g、不溶性食物繊維がおよそ6g含まれています。しかし、エシャレットやいんげん豆、おからと異なり、料理に活用しやすいので比較的たくさん食べることができます。

きんぴらごぼうやゴボウサラダ、汁物、から揚げ、炊き込みご飯と様々なシーンで活用できるのが最大のメリットです。

緑黄色野菜

緑黄色野菜ざっくりとしていますが、これから挙げる緑黄色野菜には、食物繊維が100g中におよそ6gから4gほど含まれています。

1日の目標摂取量の重要な供給源になるので、毎日しっかりと食べるようにしましょう。緑黄色野菜はサラダやおひたし、スープ、ジュースなど様々な形で食べやすいのが嬉しいポイントです。

  • モロヘイヤ
  • あしたば
  • 芽キャベツ
  • えだまめ
  • 菜の花
  • にら
  • かぼちゃ
  • そらまめ
  • ブロッコリー
  • ホウレンソウ
  • 水菜

など

緑黄色野菜はβカロテンを豊富に含むため、体内の活性酸素の害を軽減させるのにも効果的です。

ヨーグルトやキムチなど発酵食品が腸内環境をよくする理由とは?

発酵食品腸内環境をよくすると言われて、まず思いつくのが、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、キムチ、ぬか漬けなどではないでしょうか。

これらの発酵食品には善玉菌である、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌が含まれています。直接、善玉菌を摂取することでも、腸内の善玉菌を補給し、腸内環境の改善に効果的です。

ただし発酵食品は様々な菌が関わって生産されます。またヨーグルトなどは、乳酸菌〇〇株のように特定の菌種を使用して作るものもあります。

菌はそれぞれ性質があるため、腸内環境を整えるものやアレルギーを軽減するもの、脂肪を燃焼しやすくするものなど効果は様々で、影響にも個人差があります。

腸内に生息している菌類の種類は人によって違うため、合わないという相性があります。そのため「ヨーグルトを毎日食べればよい」「ぬか漬けを食べるようにするとよい」などを断言することはできません。

相性はありますが、発酵食品に含まれる乳酸菌や酪酸菌を摂取すれば、体に良いことは事実です。

ポイントは何か一つ、摂取する発酵食品を決めたら1週間ほど継続して食べ続けることです。便の様子やお腹の調子、体調が改善されたら体質に合っている菌と言えるでしょう。食物繊維やオリゴ糖の多い食事と合わせて食べるとなお効果的です。

腸内フローラを改善する食べ物Q&A

腸内細菌が作る乳酸、酪酸、酢酸がいいと聞きました。これを直接摂取すればよいのでは?

確かに疑問になるポイントですね。

善玉菌に働きによって作られた短鎖脂肪酸(酢酸や酪酸など)は、腸の中でエネルギーが脂肪細胞に取り込まれるのを防いだり、食欲を抑制したり、悪玉菌を勢力を弱めたり、腸のぜん動運動を活発にしたりする作用があります。

しかし直接食事から、短鎖脂肪酸を摂取しても、大腸で悪玉菌の抑制効果を十分に発揮できません。腸を酸性に保ち、腸内フローラを改善させるという意味では善玉菌が短鎖脂肪酸を作り出すことが重要になるのです。

ただし酢酸などの短鎖脂肪酸を経口摂取することでも、エネルギー消費の活性化などの作用があるということは示唆されています。

ただし短鎖脂肪酸は、独特の刺激と風味があるため、口に合わない人もいるでしょう。摂取する場合は、ピクルスや、ぬか漬けなどの食べやすい発酵食品から摂取するのがお勧めです。食事の中で黒酢などのお酢を調味料として利用するのもよいでしょう。

腸内フローラを改善する際の、水分の摂取量は?

腸内フローラの改善の観点から水分の摂取量を調整するならば便の様子を観察しましょう。

成人の摂取する水分の目安は1.5-2Lほどと考えられています。もちろんこれは男女差や体格差があるので一つの目安に過ぎません。

しっかりと繊維質を食べているのにも関わらず、便が少しゆるいようならば水分の摂りすぎ、硬くてポロポロしているようならば水分の不足と一定の指標にはなります。

摂ると腸内フローラを悪くする食品は?

悪玉菌やフィルミクテス門の菌は脂質やタンパク質が好物のため、高脂質高タンパクな食事を続けると腸内フローラが悪化しがちです。揚げ物やファーストフード、ケーキやスナック菓子など高脂質高タンパク質な食べ物を食べすぎないようにしましょう。

ちょっとそういった食べ物を食べすぎてしまった時は翌日に控えめにして野菜や根菜、豆類をたっぷり食べるようにするとバランスが取れます。もちろんほどほどを意識することが一番重要です。

まとめ

善玉菌腸内フローラを改善させるためには腸内で善玉菌が増えることが重要です。

善玉菌は食物繊維をエネルギー源として増殖し、その過程で代謝物として短鎖脂肪酸を作り出します。

腸内フローラを改善させるためには野菜や根菜、豆類を中心にしっかりと繊維質を摂取するようにしましょう。



【執筆者】大見 貴秀医師

大見貴秀医師帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。

「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。

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