セントジョーンズワートは米国ではサンシャインサプリメントとよばれ、No1の売上を上げています。軽度から中度のうつ病や、更年期障害,自律神経失調症などに効果があります。
ストレスの緩和,ダイエット時のイライラ感などにも高い効果をあげています。
ハーブの先進国ドイツでは患者が「イライラする,ストレスを感じる,体がだるい,やる気が起きない」など軽いうつ症状を示したとき処方されるのがセントジョーンズワートです。1年間に医師により300万通もの処方箋が書かれています。
セントジョーンズワートの学名はハイペイカム・パーフォラタム(Hypericum performatum)。よく知られた野草で、花びらの端に黒い点のついた黄色の明るい花を咲かせます。こすると赤い色素が出てくるが、それに薬理学的な活性を持ったヒペリシンという物質が含まれています。
セントジョーンズワートの名はキリスト教の民話から来ています。この花から出る赤い色は、洗礼者ヨハネ(John the Baptist)が斬首されたときに流れ出た血の象徴といわれています。洗礼者ヨハネの誕生日とされる6月24日頃に、北半球ではセントジョーンズワートの黄色い花が咲きます。
セントジョーンズワートを摂りたい場合は、サプリメントで摂るのが一般的です。セントジョーンズワートの有効成分はヒペリシン,ハイパーフォリンという成分です。天然のハーブなので栽培方法,収穫時期などによりヒペリシンとハイパーフォリンの含有量が大きく変化します。ヒペリシンまたはハイパーフォリンの含有量がはっきりしている製品を選ぶべきです。
少数の人は摂り始めて2週間以内に効果を実感できますが、多くの人は4週間〜8週間かかります。セントジョーンズワートが効果があるか判断するためには最低6週間は摂取したほうがよいでしょう。
本場ドイツの製品が品質的に安定している物が多いようです。日本でも小林製薬,DHC,ファンケル各社から発売されています。サプリメントではなくセントジョーンズワートをハーブティーとして飲む方法もあります。ハーブティーの場合サプリメントと比べると効果は劣るのではないでしょうか。ハーブティなのでリラックスやアロマ効果などは期待できるのではないでしょうか。
脳内の個々の神経細胞はシナプスを通じて情報をやり取りしています。このシナプスの間は接触してなく隙間があいていて、ドーパミン,ノルアドレナリン,セロトニンという物質が分泌され情報が伝達されています。
うつ病やうつ症状がある人は脳内のノルアドレナリンやセロトニンが少なくなっています。セントジョーンズワートにはこのセロトニンを増加させる働きがあります。
数箇所のメディカルセンターで135人のうつ病患者を対象に行われた研究では、セントジョーンズワートを毎日900mg摂った人と、イミプラミン(抗うつ役)を75mg摂った人が比較されている。その結果、セントジョーンズワートは、イミプラミンと同等の効果を示した。またある項目に関しては25%勝っていた。そして副作用がほとんどなく、あっても軽微なものだった。
3250人のうつ病患者と、その担当医からの聞き取り調査では、セントジョーンズワートを摂ってから4週間後には80%の患者の症状が軽くなった、あるいは改善されたと報告された。
うつ病患者105人を対象にした研究では、セントジョーンズワートはプラシーボ(偽薬)より250%高い効果をあげている。セントジョーンズワートを毎日900mg摂った人の67%が4週間以内に劇的な改善を見たのに対して、プラシーボを摂った人は28%が改善を見たに過ぎなかった。 気分,情緒,恐れ,睡眠障害,頭痛,心臓のトラブル,疲労などの精神身体の症状が改善している。 39人のうつ病患者を対象にした同様の研究では、70%の人が1ヵ月後に抑うつがなくなっている。最も効果があった症状は、活動力の欠如,疲労,消耗感,睡眠障害などである。
延べ1757人の患者を無作為に抽出して行った23の臨床試験を研究して、抗うつ薬としてのセントジョーンズワートの効果を要約した論文が掲載された。 ノーステキサス大学健康科学センター、ギルバート・ラミレスとルトヴィック・マキシミリアン大学のクラウス・リンデによる論文である。この論文で「セントジョーンズワートは抑うつを医師が処方する人工合成製薬と同じくらいに和らげている。そしてきわめて重要な点として、処方薬とは異なりセントジョーンズワートにはほとんど副作用がない」と結論している。
23の治験を精査した結果セントジョーンズワートの摂取で55%がうつの症状が改善している。一方偽薬では鬱症状の改善が見られたのは23%。ほとんどの治験でハイペリシンを0.3%含んだセントジョーンズワートの抽出物を使用。セントジョーンズワートと抗うつ薬との比較では、セントジョーンズワートのうつ改善率は64-68%。抗うつ薬では50-58%にとどまっている。
大阪外語大学梶本修身助教授が、いらいらや不眠に悩む更年期障害と自律神経失調症の患者25人に1日250ミリグラムのセントジョーンズワートのエキスを8週間服用してもらった。結果は60%の人が、いらいら,憂鬱,不眠が改善したと報告。この他にも全身倦怠感,頭痛,肩こりなどうつ症状を持つ人に多く見られる症状も60%の人で改善が見られた。
副作用で最も多いものは胃腸の不調。セントジョーンズワートに対するアレルギーはごく希にあります。報告によると、すべての副作用はセントジョーンズワートの摂取を止めるとすぐに消えています。 副作用は、1%〜10%以下の人に現れているにすぎません。それに比べると医師の処方を必要とする抗うつ薬の副作用は、36%の人に現れていて、しかもそれには、大変重いものから、長期的な害を及ぼすものまであります。
セントジョーンズワートを医薬品と併用する場合は注意が必要です。鎮痛薬,抗うつ薬(SSRI),強心薬,ピル,気管支拡張薬,抗てんかん薬,抗HIV薬,抗不整脈薬,血液凝固防止薬などを服用している場合、薬の効き目が弱くなったり副作用が強く出る可能性があります。必ず医師に確認してください。
平成12年に厚生省からセントジョーンズワートと医薬品の相互作用についてという資料が発表されています。医薬品と併用する場合は重大な副作用が出る場合があります。必ず医師など専門家に確認してください。
以下厚生労働省より引用
1.セント・ジョーンズ・ワート(St John's Wort,和名:セイヨウオトギリソウ)を含有する製品を摂取することにより、薬物代謝酵素が誘導され、インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬の効果が減少することが別記1報告されている。
2.我が国においても、最近、いわゆる健康食品としてセント・ジョーンズ・ワート含有食品(以下「SJW含有食品」とする。)が流通しており、このような相互作用による健康被害の発生は現在まで報告されていないが、SJW含有食品との併用により効果が減少するおそれの高い別記2の医薬品については、添付文書を改訂して、本剤投与時はSJW含有食品を摂取しないよう注意する旨を記載し、医師・薬剤師等の医療関係者に情報提供するよう当該医薬品の製造業者等に対して指示した。
3.また、SJW含有食品の表示や説明書において、セント・ジョーンズ・ワートを含む旨を明示するとともに、医薬品を服用する場合には本品の摂取を控えるなどの注意を表示するよう、各都道府県、各検疫所、関係団体を通じ、関係営業者等に周知、指導した。
4.別記2の医薬品を服用中でSJW含有食品を摂取している患者は、SJW含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
また、別記2以外の医薬品についてもSJW含有食品の薬物代謝酵素誘導により影響を受ける可能性があることから、医薬品を服用する際にはSJW含有食品を摂取しないことが望ましい。
引用厚生労働省「セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)と医薬品の相互作用について」
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