
ビルベリーの効果は眼精疲労や視力回復,強力な抗酸化,毛細血管の保護などです。ビルベリーとはブルーベリーの中の一品種で、ジャムや食用として使われるブルーベリーとは種類が異なります。
ブルーベリーは、ツツジ科の北米原産の低木性果樹です。ヨーロッパでは果実を生で食したり、ジャムやゼリー作りに用いられます。ブルーベリーが目に良いといわれていますが、臨床試験などで使われている品種はブルーベリーではなくビルベリーです。有効成分のアントシアニンの含有量がビルベリーとブルーベリーでは2倍以上も違いがあります。
そのためアントシアニンの摂取のためならば一般的なブルーベリーやその加工食品よりもビルベリーを使ったものを選ぶべきと言えるでしょう。
出典:「ベリー類のアントシアニン含量の比較」関澤春仁氏ら(福島県ハイテクプラザ会津若松支援センターほか)
ビルベリーの成熟した果実はアントシアニンと呼ばれる栄養素の色で濃い青紫色になります。このビルベリーに含まれるアントシアニンが目の健康に大変良いと注目されています。現代の様々な眼精疲労や眼の疲労感にはとくに有効といえます。
網膜の機能性低下や白内障を防ぎ、糖尿病が原因の眼の病気予防などに役立ちます。またアントシアニンには茶タンニンやビタミンEと同等レベルの強力な抗酸化作用があります。
その他にも、ビルベリーのアントシアニンにはコラーゲンを強化する作用や傷の回復を早める,筋肉をリラックスさせる,血液をサラサラにして、血管の老化や循環障害を改善するなど様々な作用があります。ビルベリーは、1976年イタリアで初めて医薬品として製造が承認されました。その後もヨーロッパをはじめニュージーランドなど、多くの国で医薬品とし利用されています。
ビルベリーサプリメントの効果的な取り方
ブルーベリーの臨床実験は多くの場合、特定品種のビルベリーが用いられています。ブルーベリーの中でもビルベリーを原材料に使用した製品を選んでください。
中でも北欧産のビルベリーが最もアントシアニンの量が多いといわれています。
ビルベリーをとる方法はいくつかあります。果実から摂るのであれば生なら日に40g以上(20~30粒)、乾燥ビルベリーでは10g(約30粒)。
ビルベリーのサプリメントで摂る場合は、一日の摂取量でアントシアニンを25%以上含むビルベリーエキスを120-250mg(アントシアニンの量で30mg-62.5mg)摂れる製品を選んでください。また、同時にルティンやイチョウ葉エキス,ビタミンA,ビタミンC,E,ビタミンB群,DHAが配合されていると相乗効果でより働きが増します。
ルティンは目に多く存在する抗酸化栄養素で、紫外線によって目の中に発生する活性酸素を中和します。特に網膜の黄斑部に多く存在し網膜を光の酸化から守る働きをします。
ビルベリーの有効成分
ビルベリーの有効成分は、色素成分のアントシアニンです。人間の目は水晶体から入った光が網膜で映像化され視神経を伝わり脳にいたります。
網膜で光を感じるために必要な物質が「ロドプシン」といわれる物質です。ロドプシンは体内で合成されるのですが、目を使っている内にどんどんと分解されていきます。さらに加齢や栄養不足によって合成能力が低下してしまいます。
ビルベリーの中に含まれるアントシアニンには「ロドプシン」の再合成を活性化する働きがあります。つまりアントシアニンによりロドプシンの再合成が活発になることで、眼の疲労がとれ、視野が広がり、夜間でも暗闇に目が慣れる時間が著しく早くなるという効果が現れてきます。
アントシアニンの効果は大変早く、摂取した4時間後にはピークに達し、24時間継続します。
ビルベリーの科学的データ
一つの信頼すべきランダム化比較試験または疫学研究において有効性が示唆されています。
被験者を魚油(DHA783mg、EPA162mg)、ビルベリー(アントシアニジン59mg、ルテイン19mg)を摂取する群とプラセボ群に分け4週間の経過を観察しました。その結果、摂取群は主観的な眼精疲労、精神疲労の症状が改善されました。
眼精疲労を自覚する20名の患者を対象とし、A群、B群10名づつ無作為に分け、A群はブルーベリーを28日投与した後、プラセボ(ブルーベリーの試験品と外観と味覚が全く同じもの)を28日間投与。またB群ではプラセボを28日間投与した後、ブルーベリーを28日間投与しました。
ブルーベリーエキスの投与量については、1日2回に分け、合計250mg。その結果、11項目についてブルーベリーの作用をみました。中でも「目の疲労感」、「目のかすみ」、「物がちらついて見える」、「肩こり・腰のこり」に関して有意な改善効果が認められ、特に「目の疲労感」、「肩こり・腰のこり」については顕著な改善効果が確認されました。
ビルベリーの副作用と安全性
ビルベリーの副作用はありません。長い年月ジャムやゼリーまたは生で食されてきた果実なので、非常に安全性は高いです。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。