
コラーゲンは大変重要なタンパク質で、体内の約30%がコラーゲンです。コラーゲンはアミノ酸が細くひも状につながったコラーゲン分子3本が集まり、より糸のようにゆるい右巻きのらせん構造を持っています。
コラーゲンは皮膚や骨、軟骨を始めとする人体の部位のほとんどを構成するのに必要になります。コラーゲンがなければ人間は人間の体を構成することができないでしょう。
目次
コラーゲンの働き
コラーゲンには肌のシワやたるみ,乾燥などを予防する美肌効果と関節の軟骨が少なくなってしまうために起きる関節炎の予防や改善効果,骨粗鬆症の予防効果などがあります。コラーゲンは食べ物から摂取したタンパク質がアミノ酸に分解され、必要に応じて体内で合成されます。
それと同時に古くなったコラーゲンは分解されていきます。分解→新しく合成のサイクルは加齢とともに働かなくなり合成されるコラーゲンの量が少なくなります。このコラーゲンの減少が、加齢とともに体全体のハリがなくなる原因です。
コラーゲンをサプリメントから摂っても意味がないとする意見があります。それに対してコラーゲンをサプリメントなどから摂ることで体内のコラーゲン合成が活発になるという研究結果が2010年に発表されました(出典:天然素材コラーゲンの機能性 小山洋一 皮革科学VoL56,No2,pp.71-79(2010))。
コラーゲンをサプリメントや食品から摂る方法
コラーゲンは豚足,ゼラチン,とり皮,フカヒレ,牛すじ,エイひれなどの食品に多く含まれています。コラーゲンを多く含む食材を積極的に摂ることで体内のコラーゲン合成を活発にすることができます。食品以外ではコラーゲンをドリンクや錠剤,カプセルなどに加工したサプリメントが販売されています。
シワや肌のハリ,乾燥肌などの美容目的、関節炎の予防や改善などの効果を期待するためには毎日継続してコラーゲンを摂取するのが有効です。食材からだけでは継続的に摂ることが難しいので、サプリメントを上手に利用して下さい。
サプリメントに配合されているコラーゲンは分子量を小さくしたものなど各社工夫をしています。ある動物実験によると、トリペプチド高含有コラーゲンが最もコラーゲンの合成を活発にしたというデータが発表されています(出典:天然素材コラーゲンの機能性 小山洋一 皮革科学VoL56,No2,pp.71-79(2010))。
コラーゲンサプリメントの摂取量の目安
コラーゲンの摂取量の目安は、シワや肌のハリなどの美容目的では1日5g程度。関節炎の予防や改善には1日10g程度です。関節炎目的ではコラーゲンと同時にグルコサミンやコンドロイチンが配合されているサプリメントが効果的です。コラーゲンには過剰症の心配などもほとんどないので摂取量としては1日5g-10g程度と考えればよいでしょう。
体内でコラーゲンを合成するときにはビタミンCと鉄が必要です。同時に配合されたサプリメントを選ぶと効果的です。
コラーゲンをサプリメントから摂ることの有効性について
コラーゲンの分子量は約300,000あり、サプリメントや食材から摂ったコラーゲンはそのままの形では人間の体は吸収できません。口から摂ったコラーゲンは一旦胃と腸でアミノ酸に分化されてから体内に吸収されます。繰り返しますがサプリから摂ったコラーゲンがそのまま吸収されることはありません。そのためコラーゲンをサプリメントやドリンクでとる事の有効性に疑問を持つ方もいます。
体内ではこの4種類のアミノ酸があれば必要に応じてコラーゲンが合成されるので、アミノ酸の摂取源としてコラーゲンにこだわる必要はなくタンパク質をしっかりと食べて入れば大丈夫であるという見解です。
2つめは、コラーゲンを食べると当然ですがコラーゲンを合成するためのアミノ酸が増えるので、コラーゲンが活発に作り出されるという見方です。サプリメントラボではこちらの見解が有力であると考えています。
コラーゲンとシワの関係
人間の肌は一番上に角質層という層があり外界の刺激から体をまもり、異物を体内に侵入させないようにブロックしています。角質層は死んだ細胞の集まりで28日周期ではがれ落ちていきます。一般的にいわれる小じわはほとんどが角質層の水分不足が原因。適切なスキンケアで水分を補給することでケアーできます。
角質層の下には真皮と言われる層が存在します。この層はコラーゲンとエラスチンと言われる物質を合成する皮膚線維芽細胞が存在します。そのため肌のハリに大きな影響を与えます。体内にあるコラーゲンの約40%が皮膚に存在し、、真皮の70%はコラーゲンから作られています。
真皮にはエラスチンと言われるスプリング状の物質があり、肌の張りを保つ役割をしています。肌を押しても元の形の戻ってくるのはエラスチンの効果です。コラーゲンはエラスチンなどの組織を支えるように分布し、肌全体のハリを保つ働きがあります。
加齢とともに真皮中のコラーゲンが減ってきてしまうと、その部分の形が保てなくなり陥没したようになってしまいます。これが加齢とともにできてくる深いシワの原因です。深いシワは一度できてしまうと元に戻すことは難しくなります。従って美容的な観点からは深いシワができてしまう前に、コラーゲンをしっかりと摂って、真皮内がコラーゲン不足になるのを防ぎましょうということになります。
コラーゲンの科学的データ
30歳から55歳の女性に対して毎日2.5gの加水分解コラーゲンと5gのプラセボを8週間投与しました。その結果、加水分解コラーゲン摂取群の皮膚の弾力や水分量が0週目に比べて改善しました。
Improvement in the Moisture Content of the Stratum Corneum Following 4 Weeks of Collagen Hydrolysate Ingestion
乾燥肌の自覚がある女性に対して魚鱗コラーゲンペプチド(2.5、5、10g)と豚皮コラーゲン(10g)、プラセボ食を無作為に二重盲検試験で四週間摂取させました。その結果、魚鱗コラーゲンペプチドを5g以上摂取した30歳以上の被験者に、皮膚角層の水分量増加が確認されました。
コラーゲンペプチドを豚に対して0.2g/kgを62日間摂取させ、α-ラクトアルブミンを摂取による結果と比較しました。その結果、皮膚線維芽細胞の密度とコラーゲン繊維の直径と密度がα-ラクトアルブミン摂取群よりも有意に大きかったことが確認されました。この結果から、コラーゲンペプチドの摂取は真皮の中のコラーゲン繊維の形成を補助する働きがあることが示唆されました。
コラーゲンの副作用と安全性
一般的には問題となる副作用はありません。まれに副作用として発疹や胃腸障害などが起きることがあります。コラーゲンと薬との相互作用は現在の所報告されていません。
コラーゲンのサプリメントの原材料として従来までは牛由来のコラーゲンが使用されていましたが、狂牛病問題以降は魚,鳥,豚由来のコラーゲンを使用した商品が多くなっています。気になる方は原材料のコラーゲンの由来に注意して下さい。

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帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。