■DHAについて
DHA(ドコサヘキサエン酸)はEPA(エイコサペンタエン酸)と共にn-3系の多価不飽和脂肪酸の一つで、イワシ,サバ,マグロ,サンマなどの青魚に多く含まれる必須栄養素です。n-3系脂肪酸には、DHAの他に、αリノレン酸,EPA,DPA,などがあります。
魚を多く食するイヌイットの人々に心筋梗塞や動脈硬化など血管系の生活習慣病がほとんど見あたらないことから、魚に多く含まれるDHAの血液をサラサラにする作用が判明しました。
DHAは体内で合成できないため、食事から摂取しなければなりません。
【スポンサードリンク】
■DHAの科学的データ
DHA研究の歴史は30年以上さかのぼることが出来ます。1972年にデンマークのH.O.BangとJ.Dyerbergが行ったイヌイットへの疫学調査が始まりと言われています。
1972年デンマーク、H. O. Bang,J. Dyerberg
グリーンランド誓願にあるイヌイット約1000人が暮らす小島での調査。イヌイットの血中脂質をデンマーク人316名と比較した結果、全ての年齢層でイヌイットの方が血中脂質および血中コレステロールが低かった。調査対象のイヌイットの食生活の中心は、魚類(サケ,鯨,カレイなど)とアザラシ。野菜類はまったく食さない。この事実を研究した結果、イヌイットの食事に多く含まれるDHAやEPAなどが血中脂質を低下させている可能性が指摘されました。
宮永和夫氏他、痴呆性疾患に対するDHAの臨床的検討,臨床医薬
DHA非摂取で従来の治療のみを続ける無処置群、従来の治療薬に加えて脳循環改善剤を投与する薬剤投与群、DHAを投与する投与群の3群に分けた臨床試験。
対象は、通院、または入院中の脳血管性痴呆症患者およびアルツハイマー型痴呆症患者。DHA投与群、脳血管性痴呆症患者13名、アルツハイマー型痴呆症患者5名。
無処置群、脳血管性痴呆症患者24名
薬剤投与群、脳血管性痴呆症患者20名
DHAとして一日700mg〜1,400mgを6ヶ月間投与した結果、DHA投与群のうち脳血管性痴呆症患者において、計算力,判断力,高次機能に有意な治療効果が得られた。一方対照とした薬剤投与群に見当識・合計で有意な低下が、また無処置群で見当識・判断力・高次機能・合計で有意な低下が見られた。以上によりDHA6ヶ月間投与により脳血管性痴呆症患者の知的機能改善を認めた。
【スポンサードリンク】
■DHAの安全性
DHAは食品に含まれる成分で、問題となる副作用は知られていません。DHAの急性毒性を調べた試験では、ネズミに高純度のDHAをkg当たり2g投与しました(体重50kgに換算すると100gの量)。これだけの大量投与にもかかわらずまったく副作用はあらわれていません。
■DHAの有効成分と働き
DHAはオメガ3系の不飽和脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸にはDHAの他にEPAやαリノレン酸などがあります。DHAには様々な生理作用があることが近年の研究で明らかになってきました。
DHAの生理作用は、DHAの固まりにくさからきています。DHAが細胞膜に取り込まれると、固まりにくい性質のため細胞壁の流動性が高まります。その結果、脳細胞のしなやかさが増したり、肝臓への悪玉コレステロールの取り込みがスムーズになったり、血管細胞がしなやかになり、赤血球が柔らかくなり、血液がサラサラになります。
結果として、老人性痴呆症の改善・予防。学習機能の向上,視力低下の抑制,動脈硬化の予防,血栓の抑制,高血圧の抑制,運動能力の向上などの効果が現れます。
DHAは血液脳関門を通過できる唯一の脂肪酸です。脳にとって大変重要な働きをする栄養素で,
特に学習能力や記憶力に関係する海馬に多く含まれています。DHAを摂取すると赤血球や細胞壁が柔軟になり、脳へ充分な酸素と栄養を届けることができます。臨床データによると、軽い老人性痴呆症やちょっとした物忘れ程度にははっきりと有効性が確認できます。
またDHAには集中力を持続し、落ち着きを持たせる働きがあります。特に強いストレスを感じたときの攻撃性が緩和されます。そのほかストレスから来るメンタル面のケアに大きな期待をされています。
DHAにはシクロオキシゲナーゼというアレルギーを促進する酵素を阻害する働きがあります。シクロオキシゲナーゼはプロスタグランジンE2という、アトピー性皮膚炎,花粉症,喘息といったアレルギー症状や関節炎などを促進する物質を作り出します。DHAはシクロオキシゲナーゼを阻害しプロスタグランジンE2が作られるのを抑制します。またプロスタグランジンE2は発ガンプロモーターなので、プロスタグランジンE2を抑制することは、ガン予防にもつながります。
DHAには運動能力を高める働きもあります。DHAにより血行が良くなると、細胞への酸素や栄養素の供給量が高まります。また、筋肉中に蓄積される疲労物質乳酸を素早く体外へ排出できるようになり、疲れが残らなくなります。順天堂大学陸上部でDHAを選手に積極的に摂取してもらった結果1万メートルのタイムが平均51秒も短縮されたという実験結果があります。
■DHAの効果的な摂取方法
DHAは青魚に多く含まれています(DHAは魚等にしか含まれていません)。DHAは脂に含まれる成分なので、脂がのった旬の時期の魚がベストです。またマグロの目の近くの組織にも多く含まれています。DHAの1日の摂取量の目安は1〜2g。現代日本人では平均400mgほどしか摂取できていません。
DHAを約1000mg摂取できる食材としては、サンマやあじの開き(生,干しどちらでも)1匹,マグロ中トロの4〜5切れ,イワシ1匹,鯖切り身1切れなどがあります(季節によりDHAの含有量は変動します)。
不足分はサプリメントでプラスするのが効果的です。それぞれの食生活にもよりますが、健康維持や病気予防を目的とした場合DHAサプリメントでプラス500mg、より積極的に病気を予防したい方は+1,000mg,アトピーや痴呆症,血液をきれいにしたいなど目的がある場合は+1,500mgを目安に摂取。
【スポンサードリンク】
|