
エキナセアには風邪やインフルエンザなど、ウイルスや細菌に対する体の免疫力を高める効果があります。エキナセア(Echinacea)はきく科の多年草で紫色の花をつけます。北米のネイティブインディアンが風邪などの予防に使ってきたハーブです。
エキナセアはその根に、免疫機能を高める成分を含み、最新の研究で、抗ウイルス性,抗菌性,免疫強化性などが実証されています。数あるエキナセアの中でもとくに、エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea)が最も優れていると言われています。
同じような働きがある成分に天然の抗生物質と呼ばれる「プロポリス」や「マヌカハニー」があります。抗菌・殺菌作用に優れ風邪やインフルエンザ・感染症の予防効果に大きな期待が寄せられています。
エキナセアサプリメントの効果的な取り方
エキナセアを摂りたい場合はサプリメントで摂るのが一般的です。風邪やインフルエンザの予防には、流行し始めたときから1ヶ月間ほどエキナセアと摂取するとよいでしょう。また症状が出だしてしまったら、2週間ほど連続で摂取すると軽くすむことも多いです。
一言で、エキナセアといっても多くの種類があります。その中で最も効果が高いのは、エキナセア・パープレア(Echinacea purpurea)です。原材料にエキナセア・パーピュリアを使用し、品質管理がしっかりとして信頼できるメーカーの製品を選んでください。
エキナセアの有効成分は風邪やインフルエンザを予防する
エキナセアには免疫賦活作用があると考えられている成分が複数含有されています。その成分は糖タンパクや多糖類、アルキルアミド、フラボノイドなどです。これらの成分は白血球に含まれるマクロファージや好中球を活性化させ、インフルエンザをはじめとする感染症への免疫力を高める効果があると考えられています。
エキナセアの科学的データ
疲労感を感じ、疲れが取れにくいと感じている22名の男女を無作為にエキナセア投与群とプラセボ群とに分け、投与群には500mg/日を摂取させました。結果、投与群では免疫にかかわるリンパ球数やCD4T細胞数、メモリーT細胞数が有意に増加しました。
風邪発症者(12歳から80歳)719人に対して、投与なし、盲検プラセボ、盲検エキナセア、盲検なしエキナセア投与群に分け投与しました。その結果、盲検プラセボと盲検エキナセア投与群では風邪の改善傾向が見られた。ただし有意な改善傾向は確認されませんでした。
エキナセアのランダム化臨床試験のレビューでは、「Echinaforce and other Echinacea fresh plant preparations in the treatment of the common cold. A randomized, placebo controlled, double-blind clinical trial.Phytomedicine1996;6(1):1 6.」の結果より、エナセキアエキスを投与することで風邪の症状が有意に改善したという試験を質の高いものとしています。
エキナセアの副作用と安全性
エキナセアには毒性はないのですが、まれに下痢などの軽い副作用がでる場合があります。自己免疫性疾患,肺結核,糖尿病,エイズなどの病気の場合はエキナセアの摂取は控えたほうがよいでしょう。菊科の花にアレルギーのある人も摂取を控えたほうがよいでしょう。
ドイツのコミッションE(日本の厚生省にあたる)は、エキナセアを8週間以上連続で摂りつづけないように警告をしています。それは、エキナセアを長期間摂取しつづけると害があるからではなく、エキナセアの効果が薄れてくるからです。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。