えごま油の効果と効能 血流改善,生活習慣病の予防,アレルギー症状の緩和,肌の健康維持

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えごま油とは

えごま油えごま油はシソ科植物のえごまの種子から抽出される油です。

構成される脂肪酸はオメガ3系に分けられ、α-リノレン酸を豊富に含んでいます。オメガ3系脂肪酸はヒトの体内では合成することが出来ず、食事から摂取する必要のある必須脂肪酸です。

えごま油は生活習慣病の予防,免疫力の強化,美容,アンチエイジングなど効能の高い油と位置付けられ、医療や美容の分野で注目されています。よく似たものに「亜麻仁油」がありますが、組成は下記のように異なっています。
えごま油と亜麻仁油の違い

えごま油の歴史

えごまの多くは中国、韓国を原産地とし、古くから食用のみでなく、医療や美容にも利用されてきました。日本では縄文時代の遺品から、えごまの種子がみつかっています。平安時代には食用油,灯油,油紙,塗料などさまざまな用途に用いられました。

昨今、えごまに含まれる成分のα-リノレン酸の効能に注目がおかれ、健康志向の高い人々の間で人気を集めています。

効果・効能

えごま油の効果、効能は以下の通りです。

  • 血流改善
  • 動脈硬化の予防
  • 脳の神経細胞の活性化
  • うつ病の予防と改善
  • アレルギー症状の緩和
  • 高血圧低下
  • アンチエイジング
  • 肌を美しく保つ作用

作用メカニズム

えごま油のメカニズムは以下です。

えごま油と血流改善のメカニズム

えごま油に含まれるα-リノレン酸は血流の悪化を予防する作用があります。血管に柔軟をもたせ、血液の流れを改善します。

血流悪化の原因
1.血管壁が厚くなり、内径が細くなったり、固くなったりして、血行が悪化します。
2.血液に粘りがでて血液の流れが滞り、血行が悪化します。

α-リノレン酸は魚に多く含まれているDHA・EPAの脂肪酸をつくるもととなり、DHA・EPAは血液の流れを良くし、血栓(血液中のかたまり)をつくりにくくします。血栓が脳の血管に詰まると生じる脳梗塞や、心臓の血管に詰まると生じる心筋梗塞の予防となります。

えごま油と美容のメカニズム

脂肪酸は細胞の膜を構成する成分となり、細胞膜は栄養素の受け渡しや情報伝達の調整を行っています。オメガ3脂肪酸を多く摂りいれていると、肌の細胞膜は柔らかく、栄養をとりこみやすい状態が維持されます。その結果、肌に張りや潤いが保たれます。

肌細胞への影響
一方、オメガ6脂肪酸を摂りすぎると、細胞膜の機能が低下し、栄養をとりこみにくく、肌のトラブルを引き起こしやすくなります。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は4:1のバランスで摂取することが望ましいとされています。しかし、加工食品の多くはオメガ6脂肪酸の油が使われ、現代の日本人の食生活では、オメガ6脂肪酸を摂りすぎている傾向です。

えごま油と脳神経組織の機能改善のメカニズム

えごま油に含まれる脂肪酸の種類、α-リノレン酸はヒトの体内でDHA・EPAに変わります。DHA・EPAは青魚に多く含まれる脂肪酸であり、脳の神経組織の機能維持に関与します。記憶や学習能力の向上、集中力の強化につながります。α-リノレン酸は血液の流れを改善して血栓を予防し、脳血管症の認知症の予防に有効的とされています。

脳血管症認知症
脳血管症認知症は脳の血管の動脈が硬化していき、脳に十分な栄養が届かず、脳細胞が傷ついていきます。その結果、脳梗塞や脳出血を引き起こす要因となります。
脂肪酸の分類

【n-3系、n-6系とは】
「n」は炭素と炭素がつながった二重結合を示します。「3」や「6」の数字は二重結合が始まる位置をあらわし、脂肪酸は炭素が連なって構成されています。


二重結合 飽和・不飽和   常温での状態 主な油の種類
なし 飽和脂肪酸 固体 バター,マーガリン,ショートニング,ラードなど
あり 不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 液体 (n-9系)オリーブ油,菜種油など
多価不飽和脂肪酸 (n-6系)コーン油,大豆油,紅花油など
(n-3系)青魚の油,えごま油,亜麻仁油など

えごま油とうつ病とのメカニズム

えごま油を構成するオメガ3脂肪酸はうつ病の予防と改善に効果が高いとされ、研究が進められています。

うつ病の症状
気分の落ち込み,憂うつ感,倦怠感,強い不安感,集中力の欠如,不眠など

脳の活動を維持する神経伝達物質のうち、セロトニンが減ると、脳の働きが低下し、精神的に落ち込みやすくなります。セロトニンが分泌される部位(脳の黒質線条体)は脆弱で、強いストレスにさらされると働きが悪化し、セロトニンの分泌が減っていきます。

オメガ3脂肪酸のうち、青魚に多く含まれるDHAは脳内に運ばれ、セロトニンの合成が促進されます。えごま油に含まれるα-リノレン酸は、そのDHAの材料となります。そのため、えごま油を日頃から摂りいれていると、脳に栄養が十分に届いてセロトニンの分泌が維持され、うつ病の予防と改善に効果が高いと言われています。

えごま油とアレルギー症状緩和のメカニズム

えごまの種子に含まれるフラボノイドのひとつ、ルテオリンにはアレルギー症状を抑える作用があります。また、α-リノレン酸にもアレルギー症状を緩和する働きがあり、二つの力が、花粉症やアレルギー対策に有効とされています。

皮膚に炎症が生じる原因

多価不飽和脂肪酸のリノール酸がアラキドン酸へ変化する。
リノール酸(オメガ6):コーン油,ひまわり油,紅花油,大豆油などに含まれる脂肪酸。
         ↓
アラキドン酸から作られる物質のサイトカインが過剰になる。
サイトカイン:ロイコトリエン,プロスタグランジン,トロンボキサンなど
         ↓
アレルギー反応を誘発する。

オメガ3脂肪酸は、コーン油,大豆油,紅花油などに多く含まれるリノール酸の摂りすぎによるアレルギー症状を抑える作用があります。そのため、アトピー性皮膚炎,気管支ぜんそく,食物アレルギー,花粉症などの予防や治療に効果が高いとされています。リノール酸は加工食品に多く利用され、現代の日本人の食生活では無意識に摂りすぎてしまいます。

科学的データや報告


福井県産エゴマ油の機能分析ならびに加工開発


福井県立大学論集第43号2014.8
本研究では、福井県産のエゴマ油のラジカル(※1)産生抑制効果について検討するとともに、福井県産エゴマ油のさらなる普及促進を狙って加工品の開発を試みています。実験ではエゴマ油にはラジカルの過剰産生を抑制する物質が含まれていることが示されました。慢性炎症性疾患においては、このようなラジカル類の過剰産生による炎症の増悪等が引き起こされるため、エゴマ油は慢性炎症性疾患の予防という新たな機能の発見につながるものと期待されています。

※1ラジカル:遊離基とも呼ばれ、対をなさない電子を一つまたはそれ以上もつ原子,分子,またはイオンをさします。不安定で反応性が大きい性質をしています。


アルツハイマー病と食事栄養-とくに銅・亜鉛とドコサヘキサエン酸


Trace Nutrients Research 25 : 8-18(2008) 橋本道男
高齢社会に伴う老人性疾患の一つ、認知症予防にすすめられる栄養素は主に、ビタミンB群,ビタミンC,ビタミンE,カロチノイドなどの抗酸化栄養素類,脂肪酸類(DHA),微量金属類(亜鉛,銅,鉄,セレン)などです。そのうち、魚に多く含まれるDHAはヒトの体内ではα‐リノレン酸から合成されます。中枢神経機能の維持にはα-リノレン酸を多く含むエゴマ油の摂取をすすめています。


Connexin 32 and luteolin play protective roles in nonalcoholic steatohepatitis development and its related hepatocarcinogenesis in rats.増え続ける新たな肝癌リスク“非アルコール性脂肪肝炎”予防に「エゴマ成分」が有効


Carcinogenesis. 2015 Dec;36(12):1539-49. doi: 10.1093/carcin/bgv143. Epub 2015 Oct 22.
生活習慣や食事の変化により非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が増加しており、肝硬変や肝がんが発生する恐れがあります。本研究で、エゴマなどのシソ科の種子に含まれるフラボノイドである「ルテオリン」が、NASHの進行やがん化の予防に役立つことが明らかになりました。さらにNASHからのがん化を促進する新しい分子機序の一部が解明され、将来的に治療薬の開発につながる可能性があると示唆しています。

えごま油の摂取がおすすめの人

脂肪酸の分類えごま油の摂取は美容や健康、生活習慣病の予防に対して効果を示します。以下のような人におすすめです。

生活習慣病予防
α-リノレン酸には血流を改善し、高血圧,動脈硬化,血行障害,血栓症の発症の予防に効果が高いとされています。α-リノレン酸は体内でDHA・EPAに変わり、DHA・EPAは青魚に多く含まれる脂肪酸です。血管をしなやかにして、血液をサラサラにする作用があり、血栓のつまりや血管への負担を軽減し、生活習慣病の予防につながります。

うつ病の改善
オメガ3脂肪酸は、脳の働きを活性するセロトニンの分泌を助けると考えられています。セロトニンは脳の中央部の小さな黒質線条体で分泌されますが、ストレスにさらされると、その部位は働きが悪化し、セロトニンの分泌が減ります。オメガ3脂肪酸のうち、脳に届くのはDHAであり、えごま油に含まれるα-リノレン酸は脳内でDHAに変換します。えごま油を継続的に摂取することは、セロトニン分泌を助け、うつ病の予防と改善につながります。

花粉症やアレルギーの予防や治療
オメガ3脂肪酸は体に生じる炎症を抑える作用があります。
免疫機能に必要な物質、サイトカインが過剰に体内に発生してしまうと、炎症を引き起こします。オメガ3脂肪酸にはサイトカインのもととなるリノール酸の働きを抑え、花粉症やアレルギーの予防と治療に役立ちます。

えごま油・オメガ3脂肪酸の摂り方

えごま油・オメガ3脂肪酸の摂り方をご紹介します。

えごま油・オメガ3脂肪酸の摂取目安量と摂り方

えごま油としての摂り方

えごま油は熱,空気,光に弱い性質です。高温の加熱調理には向かないため、サラダのドレッシングや調理後の風味づけに生で摂ると効率よく摂取できます。酸化されやすいため、食べる直前にかけると良いです。

サプリとしての摂り方

α-リノレン酸はヒトの体内でDHA・EPAに変換されますが、劣化しやすい性質をしています。そのため、えごま油が主体のサプリメントよりDHA・EPAが主体のサプリメントの方がオメガ3脂肪酸を手軽に効率よく摂れます。

えごま油・オメガ3脂肪酸の摂取期間

えごま油・オメガ3脂肪酸は継続して摂ることが健康と美容に役立ちます。

効果的なタイミング・時間帯、回数

えごま油の摂取は活動中の朝か昼間がよいです。日中は体の酸化や体内の炎症がすすむので、それに対応するためです。えごま油単体で摂るより、食べ物と一緒に摂取する方が、吸収率がよくなります。

えごま油・オメガ3脂肪酸の注意点

えごま油は高い温度の調理に使うと、酸化しやすいため、揚げ油には使わず、低温調理の炒め物や、ドレッシング、和え物に利用すると、オメガ3脂肪酸の効能が活かせます。

オメガ3脂肪酸サプリメントの選び方

オメガ3脂肪酸サプリメントの選び方をご紹介します。サプリメント選びのポイントは次の3点です。

配合量

オメガ3脂肪酸の効果を得るには、1日の摂取目安量は成人男性で2.1g、成人女性1.6gとされています。この分量が摂取できるサプリメントがおすすめです。

安全性

原産地、加工工程、品質管理が徹底している企業の製品は信頼性が高く、リピーターが多くいます。また、購入後のサポート体制も整い、安心して続けていきやすいです。

価格

サプリメントは数か月摂り続けて、効能があらわれてきます。毎日続けていきやすい価格のものを選び、継続することが大切です。

オメガ3脂肪酸サプリの摂り方

オメガ3脂肪酸サプリの摂り方をご紹介します。

摂取量

オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸,EPA,DHA)の1日の摂取量は、成人男性2.1g、成人女性1.6gと推奨されています。(日本人の食事摂取基準2015年版より)

効果的な飲み合わせ

オメガ3脂肪酸は酸化しやすいため、抗酸化作用の高い成分(ビタミンEアスタキサンチンセサミンなど)との飲み合わせは適しています。

効果が出るまでの期間

サプリメントは即効性があるものではありません。2~3カ月継続して摂り、効果、効能をご確認ください。

オメガ3脂肪酸サプリの注意点と副作用

オメガ脂肪酸サプリの注意点と副作用をご紹介します。DHA・EPAの吸収を妨げる成分は時間をわけて、摂るようにしてください。

DHA・EPAの吸収を妨げる成分

  • キトサン
  • カフェイン
  • タンニン
  • 降圧剤
  • 不溶性食物繊維

DHA・EPAとの併用は注意が必要な医薬品

  • ワーファリン

副作用

通常の食生活による、副作用はありません。サプリメントを利用して過剰摂取すると、吐き気や下痢などを生じることがあります。また、薬との飲み合わせにより、血圧が下がりすぎることもあります。

保管方法

直射日光を避けて、冷暗所に保管してください。開封後は早めにお召し上がりください。

えごま油についてのQ&A

えごま油と亜麻仁油が似ていて区別がつかないのですが、どんな違いがありますか?それぞれどんな人におすすめですか?

【えごま油】

  • 原料:えごまの種子
  • 産地:中国,韓国,東南アジア
  • 科名:シソ科

亜麻仁油と同様の効果があります。シソ科特有の香りがあるので、和食を好む方におすすめです。

【亜麻仁油】

  • 原料:亜麻の種子
  • 産地:中央アジア,カナダ,アメリカ
  • 科名:アマ科

えごま油と同様の効能があります。苦味と独特の風味があるため、濃い味付けの食材を好む方におすすめです。

えごま油で顔のクレンジングをするのは美肌効果がありますか?

α-リノレン酸は皮膚の炎症を抑え、肌を美しく保つ働きや乾燥を防ぐ作用があります。クレンジングとして利用しても肌に効果は良いですが、少量を伸ばして、少し時間をおいて洗い流す使い方もおすすめします。

生のまま飲むと効果が高いというけれど本当ですか?人によって、吐き気や胃痛があると聞いたのですが、飲んではいけない人はいますか?

えごま油は高温の調理に使うと酸化しやすいため、生のまま摂取する方が効率よく得られます。生のまま飲む場合は小さじ1程度が適量です。飲んではいけない人はいませんが、直接油を飲むと胃を痛めてしまう方は、サプリメントの利用をおすすめします。

えごま油うがいとは何ですか?

口の中をゆすぐ程度にえごま油を行き渡らせます。歯周病や口臭の改善に効果が高いとされています。亜麻仁油を用いても同じような効果があります。

えごま油は匂いがありますか?

シソ科植物の独特の香りがあります。苦手な方はサプリメントを利用すると、摂りやすくなります。

えごま油のまとめ

えごま油はシソ科植物のえごまの種子から抽出される油です。ヒトの体内では合成することが出来ず、食事で摂取する必要のある必須脂肪酸です。そのうち、オメガ3系の油に分けられ、α-リノレン酸を豊富に含んでいます。α-リノレン酸は血流の改善,生活習慣病の予防,アンチエイジング,免疫力の強化などに効果が高く、医療や美容の分野で注目されています。

α-リノレン酸は青魚に多く含まれるDHA・EPAにもととなり、積極的にとり入れたい油の種類です。熱に弱いため、高温調理には向かず、ドレッシングなど生で摂る方が効能を得やすいです。独特の香りがあるため、生のままでは香りや食感が苦手な方はサプリメントを利用してみましょう。

サプリメント

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えごま油の健康成分αリノレン酸は体内でDHA・EPAに変換されて働くため、えごま単体のサプリメントより、DHA・EPAのサプリメントを摂る方が効率的です。成分の酸化を防ぐセサミンとビタミンEが配合されているので、体にしっかり届きます。



【執筆者】管理栄養士 afcom

管理栄養士 afcom氏米国にて高等教育終了後帰国し、食物栄養学部を卒業。大学研究室にて秘書、翻訳を経験後、現在管理栄養士として栄養関連記事の執筆、栄養指導、英日・日英翻訳に従事。

「シンプルな食スタイルで元気になりたい」こんな思いを伝えていきたいと、日々探求しています。

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