
マカは標高4,000m以上のアンデス高原に自生するアブラナ科の植物です。
マカは紀元前1,600年頃から栽培されていて、2000年以上に渡りアンデスの先住民の間で伝承医療として使われてきました。マカにはマカ・モラーダ(紫),マカ・アマリージャ(黄色)など11種類が知られていますが、現在のところマカの種類ごとの違いはないと言われています。
マカは数千年に渡り伝承医療で使われてきただけあり、炭水化物やタンパク質,脂質,食物繊維などの他、リノレン酸,パルミチン酸,オレイン酸,鉄,カルシウム,ステロール,アルカロイド,ポリフェノール,サポニン,タンニンなどを豊富に含んでいます。
マカの効果・効能は強壮作用,性欲増強,男性機能回復(勃起障害の回復),疲労回復,生理不順などです。マカの効果効能の中で科学的に信頼できるデータが存在するのは性欲増強,強壮作用などについてです。ペルーではマカを生理不順などの治療に伝統的に使用していますが、科学的な検証データを見つけられませんでした。
マカの効果的な取り方とサプリメント
マカを粉末にしたものをタブレットやカプセルにしたサプリメントが販売されています。その他マカをドリンク剤にした商品もあります。
天然のバイアグラと言われるマカですが、バイアグラのように飲んですぐに効果が現れる物ではありません。しかし、副作用もなく安全性が高いので安心してとり続けられるがマカの良いところです。
男性の強壮,精力アップ,性欲回復,勃起機能回復などの効果を期待する場合は冬虫夏草や亜鉛が同時に配合されたサプリメントが効果的です。
マカの有効成分
マカの有効成分はグルコシノレート類と考えられていますが、まだ推測の段階で詳しい働きや作用は解明されていません。
マカの科学的データ
Effect of Lepidium meyenii (MACA) on sexual desire and its absent relationship with serum testosterone levels in adult healthy men.
対象 健康な21歳~56歳の男性 57人
試験方法 対象者を3グループに分けた二重盲検法。マカ投与後の性欲について聞き取り調査
投与量 グループ1(30人)=マカを1日1,500mg, グループ2(15人)=マカを1日3,000mg, グループ3(12人)=偽薬 それぞれに12週間投与
結果 マカ投与グループではマカ投与開始8週間後から性欲の向上を示した。試験終了後性欲に関わるホルモンを計測したが変化は認められなかった。
Lepidium meyenii (Maca) improved semen parameters in adult men.
対象 健康な24歳~44歳の男性 9人
試験方法 被験者全員にマカを投与する
投与量 グループ1=マカを1,500mg/日, グループ2=マカを3,000mg/日 それぞれ4ヶ月間
結果 マカ摂取による精子生産能力と精子の運動能力が向上したが、摂取量による違いは認められなかった。
Beneficial effects of Lepidium meyenii (Maca) on psychological symptoms and measures of sexual dysfunction in postmenopausal women are not related to estrogen or androgen content.
14人の閉経後の女性にをマカ3.5g/日とプラセボ6週間ずつ計12週間投与して血液中のホルモンを測定しました。その結果、女性ホルモンは有意な差が確認されませんでした。しかし不安やうつといった精神的な症状は低下が確認されました。
マカの副作用と安全性
マカはアンデス地方で2000年以上にわたり食材として食べ続けられています。
特に重大な副作用や健康被害は現在のところありません。
ペルーでは現在でも日常的に食品として食べられているので、安全性は高いと考えられます。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。