
マリアアザミ(ミルクシスル)には肝臓を毒から守るデトックス効果があります。
デトックス以外にも脂肪肝やアルコール性肝炎,肝硬変,急性ウィルス性肝炎,肝機能障害など肝臓が陥ってしまう様々なトラブルに効果があります。
デットクス効果が高いためお酒やたばこを吸う人などにはお勧めのハーブです。
目次
マリアアザミとは
マリアアザミは2000年以上前からから肝臓の薬とされてきました。西暦1世紀にはローマの博物学者の大プリニウスが肝臓薬として勧めています。
マリアアザミ(ミルクシスル)は地中海沿岸原産のキク科の草で、おおあざみとも呼ばれます。赤紫色の花をつけ、種の中に肝臓に有益な効果をもたらす成分が含まれています。
ドイツのコミッションEでは慢性肝炎と肝硬変の使用が承認されています。
マリアアザミ(ミルクシスル)の効果的な取り方
マリアアザミをとりたい場合は、サプリメントで摂るのが一般的です。マリアアザミの有効成分はシリマリンと言われる成分。
サプリメントを選ぶときはシリマリンがが一定して70%(一日の摂取量では200mg~400mg)含まれる製品を選ぶようにします。マリアアザミは短期間では効果がでないので、継続使用をオススメします。
マリアアザミ(ミルクシスル)サプリメントの種類
日本ではヘルシーワンやアサヒ,DHC,小林製薬など各社から発売されています。日本製のサプリメントはマリアアザミだけでなく、肝機能を向上するウコンを相乗効果で配合している物もあります。
少数ですがドリンクタイプも販売されています。有効成分のシリマリンは種からの抽出物なのでハーブティーでは効果が期待できないと思われます。
マリアアザミ(ミルクシスル)の有効成分
マリアアザミの活性成分は、抗酸化作用を持ったシリマリンと呼ばれるフラボノイドの複合体です。シリマリンは、広範囲な研究によって健康な肝細胞の損傷を予防する一方傷ついた肝臓の細胞を再生することがわかっています。
シリマリンは毒素から肝臓を守る肝保護作用があると考えられています。
シリマリンは、DNAとRNAの働きを高め、肝細胞の内側でたんぱく質の合成を促進し、損傷した肝細胞の再生を高めます。シリマリンは肝臓内での最強の抗酸化物質のグルタチオンの肝臓内での濃度を平均35%も高めます。またSODの働きも高めることが確認されています。
マリアアザミ(ミルクシスル)の科学的データ
ISBN4-8408-0925-9 P270-271オオアザミ(マリアアザミ)より
一つの信頼すべきランダム化比較試験または疫学研究において有効性が示唆されています。適切に使用する場合、安全に使用できるハーブとされています。
ISBN978-4-88282-609-5 C3047 P158-175
ナチュラルスタンダードリサーチコラボレーションは1999年に設立されたアメリカの代替補完療法に関する科学的根拠に基づく情報源である。ナチュラルスタンダードによる等級Bは「1件あるいは2件のランダム化された試験による有意な有益性の根拠」「1件以上に適切に実施されたメタアナリシスからの有益な科学的根拠」「2件以上のコホート/症例対照/非ランダム化試験からの科学的根拠があり基礎科学、動物実験、理論による裏付けがある場合」のいずれかを満たすときに与えられます。。Bは十分な科学的根拠があるとされ、マリアアザミが肝硬変と慢性肝炎に対してよい影響を与えると考えられます。
The efficacy of Silybum marianum (L.) Gaertn. (silymarin) in the treatment of type II diabetes: a randomized, double-blind, placebo-controlled, clinical trial.
51人のⅡ型糖尿病患者に対してマリアアザミの有効成分であるシリマリンを200mgを1日三回投与する群とプラセボ群に分け血液検査を行いました。その結果、シリマリン投与群はHbA1cやコレステロール値、中性脂肪値、GOT、GPTなどが有意に低下しました。
マリアアザミ(ミルクシスル)の副作用と安全性
複数の研究によると、肝臓に影響を及ぼすほかの薬と違って、マリアアザミは1%以下の人に胃の不調のような軽い副作用が報告されているだけです。
ミルクシスルに毒性,処方薬との相互作用の報告もありません。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。