MSM (メチルサルフォニルメタン)の効果と効能 – 関節痛軽減、美容、花粉症緩和など

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msm

MSM(メチルサルフォニルメタン)はアメリカの健康食品市場で関節やひざの痛みの軽減(痛みと炎症の緩和)、髪、爪、肌の美容、花粉症の緩和に役立つ食品素材として注目されています。MSMの体の中での作用メカニズムは明らかにされていませんが、抗炎症作用や血管拡張作用、筋弛緩作用などがあると知られています。

MSMとは

MSMは人の体内、血液中に約700~1,100ng/mlに含まれており、牛乳、お茶、穀類、果物、野菜にも含まれている有機硫黄化合物です。硫黄は体内で4番目に多く含まれるミネラルで、髪、爪、皮膚、軟骨に含まれています。

MSMそのものが硫黄の供給源としての役割も持ち、体内でたんぱく質の働きを助け、コラーゲン・ケラチンの生成などに役立つ成分として、髪・爪・肌の美容、関節の健康素材として注目されているのです。また、全米栄養食品協会(NNFA)より認可の受けた施設でつくられた最高品質のMSMといわれている「Opti MSM」はサザンパインなどの天然の針葉樹を原料にして作られています。

花粉症花粉症に対する働きかけの報告もあり、様々な形で私達人間の身体へ貢献の可能性がある成分です。日本国内では2001年10月に食品の利用が認められています。

ちなみに体内ではDMSO(ジメチル・スルホキシド)という物質を代謝してMSMを生成しています。米国FDA(Food and Drug Administration:米国医薬品食品局)は、1970年に犬と馬の筋骨格疾病の治療薬として承認し、1978年には人の間質性膀胱炎の治療薬としての使用を承認しています。このためMSMが間質性膀胱炎の治療薬として効果を発揮する可能性も示唆されています。

MSMとDMSOともに野菜、果物、穀物など自然にある成分で、副作用の報告もほとんどなく、注目の成分です。また、グルコサミンと合わせて摂取することで、MSM単独の摂取よりも関節痛が改善したという報告もあります。

MSMサプリメントの選び方と効果的な取り方

MSMサプリメントを選ぶ際には、品質基準に注目しましょう。中でも世界最高品質と認められているのが「Opti MSM」です。Cardinal Nurrition社の製造施設で作られており、全米栄養食品協会より認可を受けています。高品質のMSMを蒸留法99.8%までに純化しています。米国のMSM市場においても高いシェアを誇り、多くの方に愛用されています。

MSMサプリメント摂取量

1日2-8gの大量投与で胃の不調や下痢がおこった事例はありますが、1日60g以上でも毒性は低いと考えられています。各サプリメントが定めた用法・摂取量に従えば、安全性は高いと考えられます。

MSMの科学的データ


グルコサミン、MSMの変形性関節症に対する経口摂取の無作為化、二重盲検、平行、プラセボ対照試験


Randomised, Double-Blind, Parallel, Placebo-Controlled Study of Oral Glucosamine, Methylsulfonylmethane and their Combination in Osteoarthritis.
Clinical Drug Investigation 2004

軽度から中度の変形性関節症患者118名に対してMSM500mgとMSMプラセボ薬を12週間投与した(グルコサミンに関しては結果割愛)結果、変形性関節炎の症状を有意に改善して痛みも減少させました。そのためMSMが関節痛の鎮痛作用や関節炎の抗炎症作用があることが示唆されました。なお効果はグルコサミンと併用した時が最も高い結果となりました。



激しい運動の前後の炎症性サイトカイン放出に関するMSMの影響


The Influence of Methylsulfonylmethane on Inflammation-Associated Cytokine Release before and following Strenuous Exercise.
Journal of sports medicine 2016

活動的な複数の男性に対して1日3gのMSMとプラセボ薬を28日間投与しました。その後、膝伸展運動を行わせたところ、運動後における炎症性サイトカインの低下が確認されました。このことから運動後の負担を軽減する働きがあることが示唆されます。

MSMの副作用と安全性

起こりえる副作用として、アスピリンに似た抗血小板凝集能の可能性があり、アスピリンやNSAIDをMSMと共に摂取している場合、血便を生じる可能性はあります。また月経の症状が重くなったとの報告もあります。しかしこれらの作用はアスピリンほど強力ではありません。サプリメントで決められた用法・摂取量に従えば安全性は高いと考えられます。



【監修者】大見 貴秀医師

大見貴秀医師帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。

「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。

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