
甜茶(てんちゃ)には抗アレルギー作用,抗炎症作用があり、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状を緩和,軽減する効果があります。
その他喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状にも甜茶は効果的です。
甜茶とは
甜茶(学名:Rubus suavissimus S.Lee 英名:TIEN CHA)は中国南部で「おめでたいお茶」「幸せを呼ぶお茶」として、5千年前頃から健康茶として飲まれています。
一般的に甜茶とは「甘いお茶」の総称で、バラ科キイチゴ属の甜葉懸鈎子(てんようけんこうし),ユキノシタ科の臘蓮繍球(ろうれんしゅうきゅう),アカネ科の牛白藤(ぎゅうはくとう),ブナ科の多穂石柯葉(たすいせきかよう)の4種類が知られています。
それぞれの効果・効能があるとされていますが、アレルギーに対する効果が強いのは甜葉懸鈎子と考えられています。
甜茶が日本で有名になったのは花粉症対策として効果的だという臨床試験の結果が発表されてからです。
その後さまざまな研究が行われ、甜茶が持つ花粉症やアレルギー性鼻炎,喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギーの予防や症状の緩和に効果があることが示唆されています。
出典:「スギ花粉症に対する甜茶飲料の臨床的検討」鼻咽喉科展望 Vol. 42 (1999) No. 4 P 447-458
甜茶の効果的な飲み方とサプリメント
甜茶エキスを抽出した錠剤,お茶やティーバッグ,甜茶エキスを配合した飴,キャンディーなどが販売されています。
花粉症対策として甜茶を飲む場合は、甜茶の種類を必ず確認してください。アレルギーに効果があるのは甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)だけです。
花粉症の予防のためには花粉が飛び始める1ヶ月くらい前から甜茶を飲み始めるのが効果的です。甜茶は症状が出てしまってからでもある程度の効果はありますが、予防的に摂っていた方がはるかに効果が高くなります。
シソエキスにも花粉症の症状を予防・緩和する効果があります。花粉症目的では甜茶とシソエキスが配合されたサプリメントがオススメです。
甜茶の摂取量の目安
甜茶の摂取量の目安は甜茶エキスを1日120mg程度です。お茶として飲む場合は甜茶葉3gを1Lの水で5分ほど煮出したものです。
甜茶配合の安価なお菓子やキャンディーなどは甜茶エキスの配合量が少ない商品がけっこうあります。
甜茶の効果を期待するためには1日120mg程度摂取できる製品を選んでください。
甜茶の有効成分と効果を発揮する仕組み
甜茶の有効成分はポリフェノールの一種であるGOD(Galloyl Oxygen Diphenyl)です。
甜茶エキスに含まれるGODポリフェノールは花粉症やアレルギー性鼻炎などの原因となる過剰なヒスタミンの分泌や炎症に関係するシクロオキシゲナーゼを抑制する働きがあります。
甜茶の科学的データ
アレルギー性鼻炎患者21名を対象に、4週間、甜茶エキス40mgを含むキャンディーを1日3粒(1日で甜茶エキスを120mg摂取)与え、経過を観察しました。
その結果、2週間後に65%、4週間後に75%が症状の改善を認めました。
甜茶の副作用と安全性
甜茶の副作用は現在のところ知られていません。
長い間健康茶として摂られている成分なので安全性は高いと考えられています。医薬品との相互作用も現在の所ありません。

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帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。