ウコンの効果と効能 肝臓を守る・二日酔い予防・健胃・消化不良の改善など

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ウコンはインドから中国にかけて栽培されているショウガ科クルクマ属の植物です。日本でも中国から琉球王朝に伝来し沖縄県で栽培されています。ウコンが日本へ伝来したのは平安時代と考えられており、長い間健康食品として親しまれてきました。

ウコンには秋ウコン(鬱金),春ウコン(姜黄,キョウオウ),紫ウコン(ガジュツ)がありますが、含有される成分や健康効果が全く違います。一般的にウコンといった場合は秋ウコンをさします。ウコンは古くから料理の香辛料や着色料として使用されています。

ウコン独特の黄色い色素クルクミン(別名:ターメリック)が有効成分で、カレーの香辛料として古くから健康効果のある食品として利用されてきています。


一般的にウコンの効果・効能は肝臓を守り二日酔いを予防すると言われていますが、実はこの効果・効能は体験的なものでしかなく、しっかりとした科学的データに裏付けられたものではありません。ウコンの効果・効能としてしっかりとした検証がなされているのは「消化不良の改善,健胃効果」です。

ドイツコミッションEでは、ウコンを消化不全の治療薬として認可しています。その他のウコンの効果効能は検証は不十分ながら、抗酸化作用,免疫のコントロール作用,抗ガン作用,抗炎症作用,肝臓保護作用などが示唆されていますが、人間での検証は充分に行われているレベルではありません。

ウコン・サプリメントの効果的な飲み方と摂取量

ウコンのサプリメントは、ウコンの乾燥粉末を錠剤にしたタイプやウコン抽出エキスをドリンク剤にしたタイプなどが販売されています。ドリンクタイプの「ウコンの力」はテレビCMもされ、コンビニなどで手軽に買えることから人気になっています。

ウコンサプリメントの摂取量

ウコンの摂取量の目安はウコン換算で1日2~3g程度。お茶では4.5~9g程度です。ウコンの健康効果は短期間ではあまり期待できません最低2~3ヶ月程度は必要です。

ウコンは過剰摂取による副作用が比較的出やすい成分です。摂取量などには十分注意をしてください。また病気治療中の方は必ず医師に相談してください。

ウコンの有効成分

ウコンの有効成分は独特の黄色い色素「クルクミン」と「精油(エッセンシャルオイル)」です。身近なところではカレーやタクアンの黄色がクルクミンの色素です。クルクミンは腸内でテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化作用をもつ物質に変換されます。

クルクミンの特徴はなんと言っても強力な抗酸化力です。クルクミン自身が活性酸素を消すとともに、抗酸化酵素のグルタチオンペルオキシターゼやカタラーゼを活性化します。結果としてLDLコレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化を予防する働きがあると考えれています。

その他ウコンのクルクミンには、免疫機能をコントロールする働きがあります。ウコンのクルクミンの抗ガン作用についてはいくつかの動物実験で有効性が示唆されていますが人間での検証は不十分です。

ウコン=肝臓を守る,二日酔い予防,悪酔いしないというイメージがありますが、この効用については伝承的・体験的なものや動物実験レベルで、人での効果はこれから検証される分野です。

また、秋ウコンの精油成分に含まれている「ビサクロン」という物質も人間の健康にとってよい影響を与えると示唆されています。

あくまでマウスでの研究結果ですが、ビサクロンを含むウコンを摂取させたマウスではに使酔いの症状が軽減され、アルコール摂取により増えるASTとALTという酵素の値が減少したことが明らかになっています。

このことからビサクロンはアルコールによる肝障害のリスクを低下させる可能性が示唆されています。
参考:ハウス食品グループ本社株式会社「ビサクロン」を含有したウコンエキスに、二日酔い改善につながる新機能を確認

ウコンの科学的データ


胃潰瘍に対して強い作用を持つターメリック



消化不要患者に対する試験


Randomized double blind study of Curcuma domestica Val. for dyspepsia.
対象 消化不良患者116人
試験方法 プラセボを対象とした二重盲検試験
投与量 ウコン粉末を1日2g。7日間
結果 ウコン摂取群はプラセボ群と比べて症状の改善が見られた

ウコンの副作用と安全性

ウコンは通常の食品から摂る量であればまず問題はありません。サプリメントなどで長期間大量に摂取すると消化器に副作用が出ることがあります。

摂取量には十分注意してください。特に妊婦や授乳中の人,肝臓や胆嚢に病歴がある人がウコンを摂取する場合は必ず医師に相談して下さい。

ウコンはサプリメントの中でも副作用が多い成分です。摂取にはサプリメントからの摂取は充分注意してください。




【監修者】大見 貴秀医師

大見貴秀医師帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。

「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。

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