「最近、若いころに比べて自信がなくなった・・・」そんなことを感じることはありませんか?それはもしかするとED(勃起不全)のせいかもしれません。
EDは治療が可能です。そのためにはまず、EDがどのようなものかを知っていきましょう。原因と対策を、男性視点で解説していきます。
目次
ED(勃起不全)ってどんなもの?
まずはEDとはどのような状態を指すのか、現在のご自身が当てはまるかイメージしながら、見ていきましょう。
ED(勃起不全)は正式名称をErectile Dysfunctionと言い、直訳すると「勃起機能低下」となります。
EDとは「まったく勃起ができない状態」のことだけではありません。
例えば「勃起にかかる時間が長い」「勃起が持続しない」「勃起しても硬度が柔らかく、挿入ができない」などもEDに当てはまります。
男性がまれに勃起できないことは自然なことです。
しかし望むタイミングで毎回、勃起できない場合はEDという症状の可能性が高いでしょう。
通常の場合の勃起のメカニズム
勃起ができる状態であれば、陰茎(ペニス、男性器)内部の海綿体という組織に血液が流れ込み、内圧が上昇します。
陰茎は伸縮性がある(伸び縮みをする)ため、血液量が増えて内圧が上昇すると、勃起していない時よりもより陰茎が長く、太く、固くなり、パートナーへの挿入が可能になることは、男性の皆さんは経験上、ご存知かと思います。
陰茎の勃起は性的興奮によって引き起こされることがほとんどですが、寝起きの際(朝勃ち)や尿が溜まっているときにも勃起することはあります。
しかし、EDの状態になると、陰茎への血流量が減少して、勃起できなくなったり、持続できなくなったりします。
また、基本的には朝勃ちや尿が溜まっている時の勃起もなくなります。
EDになる原因とは?
EDは一部の薬剤による副作用や循環器系の疾患が原因で発生することもありますが、最も多い原因は「加齢」によるものでしょう。
またストレスも大きな原因となります。しかし、ストレス性のEDの場合は、朝勃ちや尿が溜まっている時の勃起が起きることもあります。
それぞれの原因について詳しく解説します。
加齢によるED
人間の血管の機能は、基本的に加齢とともに低下していきます。特に高血圧や動脈硬化などがあると、血管障害(血流の悪化)が発生し、陰茎に十分に血液を送り込めなくなります。
その結果、勃起しづらくなり、EDが発生します。
また加齢によって、男性ホルモンである「テストステロン」の分泌量も低下していきます。テストステロンは性欲を引き起こす作用があり、加齢によりその分泌量が低下すると、性的な欲求が薄れてしまいます。
テストステロンの分泌のピークは20代で、そこから徐々に低下していきます。テストステロンの分泌量が低下して、EDの原因となってしまう年代は40代後半くらいから多くなります。
勃起には、そのスタート時点に性的な欲求があるかどうかも関わってくるため、テストステロンの分泌量の低下で性欲が薄れてしまうと、EDにつながります。
ストレスによるED
男性が勃起できないことはよくあることです。しかし一度でも、勃起ができず、性行為の時に恥ずかしい、情けないといった思いをしてしまうと、それが緊張やストレスとなり、次回以降も勃起しづらくなることがあります。
また、上記のような性行為の際のトラウマ以外にも、仕事や経済的なストレス、過度の疲労・睡眠不足などでも勃起しづらくなることがあります。
ストレスによるEDは、比較的若年層(20代)でも現れることがあります。
上記のようなストレス・疲労状態にある方は、若くても発症しやすいです。
加齢・ストレス以外の原因によるED
前立腺がんや膀胱がんなどを切除する手術の際に、陰茎の周りの神経が傷つき、勃起しづらくなることがあります。また交通事故などで下半身に外傷を負うことで、勃起しづらくなることがあります。
パーキンソン病、アルツハイマー病、脳血管疾患、頭部への外傷などにより、脳から性的な刺激の信号が伝わらず、EDになることもあります。
もしてしてEDかも・・・ED度セルフチェック
「最近、下半身の調子が悪い・・・」そう思ったらまず、EDにあてはまるかセルフチェックしてみましょう。
確定診断ではありませんが、自分がどの程度のEDの可能性があるか知ることができます。
過去6か月程度を振り返って、次の5項目のチェックを行います。
それぞれ当てはまる状態の数字を足していき、合計数を計算します。
Q1.勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか?
- 1点:非常に低い
- 2点:低い
- 3点:中くらい
- 4点:高い
- 5点:非常に高い
Q2.性的刺激によって勃起したとき、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりますか?
- 0点:性的刺激が一切ない
- 1点:ほとんど、または全くない
- 2点:たまになった(半分よりもかなり低い)
- 3点:時々なった(半分程度)
- 4点:しばしばなった(半分よりかなり高い)
- 5点:ほぼいつも、またはいつもなった
Q3.性交の際、挿入後どれくらいの頻度で勃起を維持できましたか?
- 0点:性交を試みなかった
- 1点:ほとんど、または全く維持できなかった
- 2点:たまに維持できた(半分よりかなり低い)
- 3点:時々維持できた(半分程度)
- 4点:しばしば維持できた(半分よりかなり高い)
- 5点:ほぼいつも、またはいつも維持できた
Q4.性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
- 0点:性交を試みなかった
- 1点:極めて困難だった
- 2点:とても困難だった
- 3点:困難だった
- 4点:やや困難だった
- 5点:困難ではなかった
Q5.性交を試みた際、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか?
- 0点:性交を試みなかった
- 1点:ほとんど、または全く満足できなかった
- 2点:たまに満足できた(半分よりかなり低い)
- 3点:時々満足できた(半分程度)
- 4点:しばしば満足できた(半分よりかなり高い)
- 5点:ほぼいつも、またはいつも満足できた
合計得点はいかがだったでしょうか。
下記のどちらに当てはまるかで、現在のED重症度がある程度判断できます。
22-25点:ED疑いなし
17-21点:軽度EDの疑いあり
12-16点:軽中度EDの疑いあり
08-11点:中等度EDの疑いあり
05-07点:重症EDの疑いあり
01-04点:さらに重症の疑いあり
合計点が21点以下となった方は、EDの疑いがあります。「自分はEDかもしれない」と悩んでいるならば、一度医療機関での診察を受けることをお勧めします。
ED改善に役立つ4つの成分
一度、EDになってしまったからといってずっと治らないわけではありません。バイアグラをはじめとする治療薬を用いつつ、食事や生活習慣に気を付ければ、自然に勃起できる状態に戻すこともできます。
EDを改善するためには、食事の中では特に血流を改善させる食べ物と、男性ホルモンの分泌量を増やす食べ物が重要になります。しかし日常生活では十分摂取できないものも多いので、通常サプリメントからの摂取になります。
サプリメントを用いてEDを改善するときは、以下のような成分を含んだものを選ぶとよいでしょう。
おすすめは4成分あります。
アルギニン、シトルリンともにアミノ酸の一種です。
この2つの成分は併せて摂取することで、EDを改善する働きが高まります。
まずはアルギニンから見ていきましょう。
1. アルギニン
アルギニンは、成人にとっては体内で合成できるため、非必須アミノ酸です。
成長ホルモンの分泌に関わるアミノ酸で、成人男性がアルギニンを十分に摂取すると、勃起力を改善する効果が期待できます。
アルギニンを摂取すると体内で「一酸化窒素」が発生します。一酸化窒素は血管を拡張して血流を促進させる働きがあります。勃起する際には陰茎に血液が流れ込むことが必要ですので、アルギニンと一酸化窒素の血流促進作用によって、結果的にEDを改善する働きが期待できます。
それと同時に、アルギニンには、高血圧や動脈硬化といった血管にダメージを与える生活習慣病を予防する効果もあり、間接的にEDの改善にも期待できます。陰茎への血流増加と血管にダメージの改善の両面で、EDの改善に効果的な成分といえます。
アルギニンは肉や魚、大豆、乳製品などに豊富に含まれています。極端な食事制限や偏食をしていない限りは、通常不足することはありません。しかし、サプリメントなどで追加で摂取すると、EDに対してさらに有効になってきます。
2. シトルリン
シトルリンはアミノ酸の一種ですが、タンパク質の材料とはなりません。単独の状態で血液中に存在する「遊離アミノ酸」に分類されます。
シトルリンもアルギニンと同じく、体内で一酸化窒素を作り出す働きをします。アルギニンと同様に血管を拡張することで、血流を促進し、EDを改善させます。
一酸化窒素を作り出すサイクルでは、アルギニンもシトルリンも両方が必要になります。アルギニンだけ、シトルリンだけではなく、併せて摂取することが重要なポイントです。
シトルリンは、すいかやキュウリ、ゴーヤ、メロンなどのウリ科の植物に多く含まれている成分です。特に普通食べない皮の部分に多く含まれているため、食事からではなかなか摂取することが難しいでしょう。
EDの改善を目的に摂取するときは、アルギニンとシトルリンが両方含まれたサプリメントを選ぶことがおすすめです。
この2つの成分は上述のような血流改善効果のほか、成長ホルモンの分泌に関わっていて、筋肉量を増やす効果があります。筋トレを行うと男性ホルモンのテストステロンの分泌量が増え、性欲や性機能が向上することもあります。
ただアルギニン+シトルリンのサプリメントを摂取するだけではなく、筋トレも行うようにすると、性欲向上の効果も加わり、ED対策として最大限効果を発揮できるでしょう。
3. マカ
マカはペルーのアンデス山脈に自生する、非常に栄養価の高い植物です。昔から滋養強壮力のある食べ物として重宝されてきました。
マカには炭水化物やアミノ酸、ビタミン、ミネラルなど豊富な栄養素が含まれていますが、特に「アルギニン」が多いことが特徴です。
上述した通り、アルギニンには血管を拡張する働きがあります。陰茎への血流を増やして勃起力を上げ、EDを改善する働きが期待できます。
また成長ホルモンの分泌を促進するため、筋力がつき、結果的に男性ホルモンが増加して、性欲や性機能の向上も期待できます。
またマカに含まれる「グルコシノレート」という物質は、体内で「スルフォラファン」という物質に変化します。
スルフォラファンは高い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を無毒化する作用があります。
活性酸素は血管を傷つけ、動脈硬化を促進させ、陰茎への血流量を減少させてしまう原因となるため、スルフォラファンの活性酸素の除去効果によるED改善効果も期待できます。
マカは日常の食生活に取り入れることが難しいので、サプリメントとして摂取するとよいでしょう。その際はアルギニンと相乗効果を発揮するシトルリンと一緒に摂取するとベターです。
4. 亜鉛
亜鉛は必須ミネラルに分類され、男性の性機能に大きく関わる栄養素です。精子を作り出すためには亜鉛が必要で、また男性ホルモンを作り出すためにも亜鉛が必要になります。
亜鉛が不足すると、男性ホルモンの分泌量が低下して、性的欲求が少なくなったり、勃起機能が落ちてしまったりすることがあります。
亜鉛は現代の日本人の食生活では特に不足しやすい栄養素の1つです。その理由は3つあります。
- 亜鉛を多く含んでいる食品が、牡蠣やレバー、タラバガニといった日常的に食べにくい食品であること
- 体内での吸収率が非常に低いこと
- 食物繊維や野菜に多く含まれるフィチン酸によってさらに吸収が妨げられること
があります。
亜鉛不足解消のためには、意識的に亜鉛の多い食品を摂取するほか、サプリメントを利用するのがよいでしょう。
亜鉛はEDを予防したい人だけではなく、性成熟のためすべての年代で重要になります。子供のうちもなるべく、亜鉛が多い食品を意識的に食卓に並べるように、保護者の方が気を付けるとよいでしょう。
<男性の亜鉛の摂取推奨量 単位:mg/日>
必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐用上限量 | |
---|---|---|---|---|
0-5(月) | – | – | 2 | – |
6-11(月) | – | – | 3 | – |
1-2(歳) | 3 | 3 | – | – |
3-5(歳) | 3 | 4 | – | – |
6-7(歳) | 4 | 5 | – | – |
8-9(歳) | 5 | 6 | – | – |
10-11(歳) | 6 | 7 | – | – |
12-14(歳) | 8 | 9 | – | – |
15-17(歳) | 9 | 10 | – | – |
18-29(歳) | 8 | 10 | – | 40 |
30-49(歳) | 8 | 10 | – | 45 |
50-69(歳) | 8 | 10 | – | 45 |
70以上(歳) | 8 | 9 | – | 40 |
EDで悩むことの多い40代後半以降の男性の場合は1日に10mg以上の亜鉛の摂取を目安とするとよいでしょう。
食品から亜鉛を摂取する場合、亜鉛を多く含む食品には次のようなものがあります。
<亜鉛の多い食品 単位:mg/日>
牡蠣 | 大きめ3-4個65g | 約8mg |
---|---|---|
豚レバー | カット5-6枚100g | 6.9mg |
牛肉 | シチュー用肉5-6個100g | 4.6mg |
ビーフジャーキー | 半袋50g | 4.4mg |
タラバガニ | 足1本100g | 4.2mg |
チーズ | スライスチーズ5枚100g | 3.2mg |
油揚げ | 2枚100g | 2.4mg |
納豆 | 半パック50g | 1.9mg |
豆腐 | 1丁300g | 1.8mg |
このように亜鉛を1日10mg以上摂取しようとすると、食品からではなかなか大変なことが分かります。普段から不足しないように、サプリメントを利用すると手軽に亜鉛補給ができます。
医療機関でEDの治療
EDで医療機関の診察を受ける際は、基本的に「ED外来」やそれに準じる診療科があるクリニックをおすすめします。
ED治療をすることは男性にとって非常に恥ずかしいことであることが多いですよね。
EDに特化しているクリニックは受付や診療がスムーズで、恥ずかしさを軽減するための配慮が行き届いており、安心です。
インターネットの検索エンジンで「ED 治療 (地名)」で検索をすれば最寄りのED治療ができるクリニックが出てくるはずです。
もし近くにEDを専門としているクリニックがなければ、内科や泌尿器科でも治療は可能です。
最も基本的なEDの治療法は、「PDE5阻害薬」という薬によるものになります。
勃起するためには陰茎の血管を拡張させ、十分に血液を送り込む必要があります。
このとき「サイクリックGMP」という物質が働きますが、この物質がいつまでも放出されていると、勃起が持続し続けてしまいます。
それでは通常困るため、「PDE5」という酵素が働いてサイクリック GMPを分解し、勃起状態を解除するのですが、この酵素「PDE5」が優勢に働くと、十分に勃起できず、EDになってしまいます。
「PDE5阻害薬(EDの治療薬)」はPDE5の働きを阻害することで、陰茎に血液を送る「サイクリックGMP」の働きを強め、EDを治療します。
バイアグラ・レビトラ・シアリスの比較
PDE5阻害薬には「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」の3種類があります。
作用機序としてはPDE5の働きを阻害することで共通していますが、それぞれ微妙な違いがあります。
次の比較表で特徴を見比べてみましょう。
バイアグラ | レビトラ | シアリス | |
---|---|---|---|
有効成分 | シルデナフィル クエン酸塩 | バルデナフィル塩酸塩水和物 | タダラフィル |
価格 | 1300円から1500円/錠ほど ジェネリックの場合は1000円/錠ほど |
1500円から1800円/錠ほど | 1700円から1800円/錠ほど |
特徴 | 効果が高い | バイアグラよりも即効性が高め | 左二つと比べて副作用が弱く、効果も長続きする傾向にある |
即効性 | 即効性が高い | 同左 | 即効性は低い |
作用の持続 | 短め | 同左 | 長い(最大で36時間ほど) |
服用方法 | ・性行為の30分~1時間ほど前の空腹時に服用 ・食後に服用すると効果が弱まることもある |
・性行為の20分~1時間ほど前にの空腹時に服用 ・バイアグラよりも食事による影響は少ないが、空腹時の服用がおすすめ |
・性行為の3時間ほど前に服用 ・食事の時間にはあまり気を付けなくてよい。不安ならば空腹時に。 |
アルコールとの併用 | 適量なら可 | 同左 | 同左 |
副作用 | 顔のほてりや動機、発汗、息切れ、目の充血(ほとんどの人に見られる) | 同左 | 頭痛、ほてり、顔の紅潮など(10人に1人程度と少ない) |
禁忌薬 | ・硝酸剤(狭心症など虚血性心疾患の治療薬。血圧を下げすぎる可能性がある) ・アンカロン、アミオダロン塩酸塩などの不整脈の薬 |
・硝酸剤(狭心症など虚血性心疾患の治療薬。血圧を下げすぎる可能性がある) ・抗HIVウイルス薬 ・抗真菌薬(水虫などの治療薬) |
・硝酸剤(狭心症など虚血性心疾患の治療薬。血圧を下げすぎる可能性がある) |
処方できない場合 | ・心臓病や脳卒中の既往 ・コントロールされていない低血圧、または高血圧 ・重い肝臓病 ・網膜色素変性症など |
・心臓病や脳卒中の既往 ・コントロールされていない低血圧、または高血圧 ・重い肝臓病 ・重い腎臓病(人工透析中など) ・網膜色素変性症など |
・心臓病や脳卒中の既往 ・コントロールされていない低血圧、または高血圧 ・重い肝臓病 ・網膜色素変性症など |
入手方法 | ・医療機関で処方を受け、薬局で購入する ・個人輸入で購入することも可能 (ただし安全性を考え、医療機関で処方を受けることを推奨します) |
同左 | 同左 |
こんな人におすすめ | ・安く(ジェネリックで)EDを治療したい ・血管や心臓に既往症がない ・有名な薬が安心できる |
・即効性、効果が高いものがいい ・血管や心臓に既往症がない ・有名な薬が安心できる |
・なるべくマイルドなものがいい ・なんらかの既往症があり、副作用や制限の少ないものがいい |
バイアグラは25mg,50mg、レビトラとシアリスは5mg,10mg,20mgのものがあります。基本的には量の少ないものから試していき、効かない場合は徐々に強いものに変えていきます。
それぞれ合う、合わないには個人差があり、バイアグラが一番よく効くという人もいれば、レビトラが一番効くという人もいます。
一気にEDを改善するのではなく、徐々に自分に最もあった治療薬を見つけられるように、治療を進めていきます。
EDを改善する為の生活習慣の見直し
EDを改善するためには生活習慣も重要になります。
生活習慣の面では、血管の健康を保つことと、男性ホルモンの分泌を増やすことを心がけましょう。
血流をよくして、男性ホルモンの分泌量を増やす
スクワットを行うと、大腿四頭筋(だいたいしとうきん:ふともものこと)が鍛えられます。大腿四頭筋は下半身の血液を循環させるポンプのような働きをしています。心臓から遠い下半身の血液が再び上半身に返ってくるのは、大腿四頭筋の働きによるものです。
スクワットで大腿四頭筋を鍛えると、陰茎に血液を送る力が強まり、勃起力が向上します。また筋力トレーニングを行うことで、男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増え、性欲や性機能が向上する働きも期待できます。
自重で行う場合は1セット10回を1日に3-5回ほど行いましょう。
肩幅程度に足を開いて背筋をピンと伸ばしたまま、お尻を下に落とすイメージで、ふとももが地面と水平になるくらいまで落とします。
自重で行う場合は毎日行っても問題ありません。バーベルやダンベルなど加重して行う場合は週に3日程度にしておきましょう。
煙草をやめる
煙草に含まれているタールや一酸化炭素は、体内で活性酸素を作り出してしまいます。活性酸素は血管にダメージを与えて、動脈硬化を促進させてしまいます。動脈硬化になると陰茎への血流が低下してしまうため、できるだけ煙草はやめるようにしましょう。
自分の努力だけではなかなか禁煙できないときは、病院の禁煙外来などで禁煙治療をするのもおすすめです。
有酸素運動を習慣づける
ウォーキング、ジョギング、スイミングなどの有酸素運動は心肺機能を高め、血流量を増加させ、血管機能を向上させます。そして陰茎への血流量を増加させ、EDを軽減したり改善したりする効果が期待できます。
有酸素運動ならばなんでもいいので、週に3-4日くらいの習慣にするのを目指しましょう。
もっともお手軽なウォーキングの場合は、1回に30分程度をちょっと早歩き程度で歩くとよいです。スピードは、歩き始めてから10-15分くらいで軽く汗ばんでくる程度がちょうどいいので、意識してみてください。
有酸素運動をすると同時に肥満や高血圧、高血糖の解消にもつながります。これらの不健康状態は血管にダメージを与えて血行を悪くし、EDを悪化させてしまうほか、心臓など循環器系の疾患のリスクにもなります。
EDだけではなく、そのほかのトラブルやリスクを解消する有酸素運動は一石二鳥と言えるでしょう。
日付が変わる前には就寝する
男性ホルモンや成長ホルモンは睡眠中に分泌量が増加します。特に22時から26時(午前2時)までの4時間は、ホルモンの分泌量が増える「ゴールデンタイム」と言われています。
遅くとも日付が変わる前には就寝して、成長ホルモン分泌を促すとよいでしょう。最適な睡眠時間には個人差がありますが、最低6時間は眠るようことをおすすめします。
ストレスや緊張を減らす
勃起しないからと言って焦ってしまうと、その精神的なストレスにより、より勃起しづらくなってしまいます。EDの疑いがあるからといって、焦ってはいけません。
バイアグラなどの勃起薬で治療することも可能ですし、軽度のものならば食生活でおすすめの4成分の摂取や、生活習慣の改善5つのポイントを行っているうちにで治る可能性もあります。
まずはパートナーにEDの疑いがあることを伝えて、射精しなければいけないという焦りや緊張、義務感を薄めていきましょう。
EDの対策・治し方によくあるQ&A
まず、週に1-2回程度、1回2時間程度のサイクリングならまず問題ないことをお伝えします。ただし毎日のように数時間も自転車に乗っているとEDになる可能性が高まります。
自転車に乗るとサドルにより股間の周囲が圧迫され、陰茎への血流量が低下してEDになってしまいます。自転車を趣味にする人がEDになってしまうケースは割と多いので、サイクリングの頻度と時間には気を付けるようにしましょう。
EDを専門とするクリニックでは患者への配慮として、スタッフが全員男性となっているところも存在します。恥ずかしい場合はまず、そういったクリニックを選んで受診するとよいでしょう。
もしそのようなクリニックが周りに見つからない場合は、受付で「診療内容は先生に直接相談したいです」と伝えても大丈夫です。
EDは数値に現れるものではないので、健康診断などで確かめることはできません。ただし血圧や体脂肪率、BMI、血糖値などの、生活習慣病に関わる数値に異常があると、EDのリスクを高めてしまいます。
このような数値が高い場合は、運動や食生活で改善することで、将来的なEDを予防することができます。
将来的なEDを予防するためにも、健康診断で数値が引っ掛かった場合は20代からでも対策を始めるようにしましょう。
ED治療薬には副作用や併用禁忌薬などが存在します。日本の基準では認可されていないED治療薬を知らずに購入・使用してしまい、思わぬ副作用を生じる可能性があります。
また、知らず知らずのうちに併用禁忌薬(飲み合わせると重大な副作用の生じる薬)と同時に服用してしまい、健康に著しい問題が生じる可能性もあります。
加えて、販売代理店によっては製薬メーカーの正規品ではなく、偽造品などを掴まされてしまうこともあります。
総じて医療機関で診察を受けて、適切に処方してもらえば起こらないものです。個人輸入の場合は何かトラブルが生じてしまっても、自己責任となってしまいますので、安価とはいえお勧めできません。
ED予防・対策のまとめ
EDは、男性ならば誰でも気になることだと思います。
ただし決して「自分がおかしい」などとは思いつめないようにしてください。EDは加齢とともに自然と生じることもあります。
少し生活習慣を改善するだけでEDも改善されることもありますし、治療薬で治療をすることも可能です。
もし悩んでいるならば一度、軽い気持ちで病院に相談してみると安心ですよ。
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帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。