むくみとは、浸透圧のバランスの崩れによって血液や細胞内の液体(リンパ液)が細胞組織に溜まることにより発生する症状です。
水分は、通常の状態ならば血液として全身を循環し、汗や尿として体外に排出されます。しかし何らかの原因によって水分が溜まることでむくみが発生します。
むくみは全身に発生する可能性がありますが、特に手足といった末端部や顔に多く発生します。
目次
むくみが発生する7つの原因
むくみの原因はさまざまです。代表的なものを紹介していきます。
塩分の摂りすぎ
人体には、体の塩分濃度を一定に保とうとする力があります。しかし過剰に塩分を摂取すると、汗や尿としての塩分の排出が間に合わず、体内が一時的に塩分濃度の高い状態になります。そうなった場合、人体は塩分濃度を下げようと水分を蓄えるため、むくみが発生します。
糖分の摂りすぎ
糖分は代謝の際に水分を必要とします。そのため、糖分を摂りすぎると人体は水を蓄え、代謝に対応しようとします。そのため糖分の摂りすぎはむくみを発生させます。
運動不足
運動を行うと血流が改善、リンパ管が刺激されます。リンパ管が刺激されるとリンパ液の流れも円滑になりますが、運動不足の場合はリンパ液が一か所に留まるため、むくみが発生します。
アルコールの摂取
アルコールには利尿作用があるため、過度の飲酒は水分不足を招きます。水分不足は血液の濃度の上昇を招くため、人体は水分を蓄えて血液濃度を下げようとします。そのためアルコールの摂取はむくみを引き起こします。
窮屈な衣服や靴
体のサイズに合わない衣服や靴を履くと血流の流れが悪くなります。そのためリンパ液の排出が滞り、むくみを発生させてしまいます。
ホルモンバランスの乱れ、PMS
女性の月経前などホルモンバランスが乱れていると冷え性や血行不良を引き起こす場合があります。血流が阻害されるためリンパ液の排出が滞り、むくみの原因となります。
▶もっと詳しく:1つでも当てはまれば対策を。PMS(月経前症候群)の症状チェック+改善方法
立ち仕事が多い
立ち仕事が多いと重力の影響で体の下部に血液やリンパ液が集まります。そのため下半身のむくみになりやすくなります。
むくみの起きやすいライフスタイルとは?むくみ度セルフチェック
以下の項目に当てはまる人はむくみやすいと言えるでしょう。
- 濃い味付けの食べ物が好きだ、塩分を摂りすぎていると感じる
- 立ち仕事が多い
- 同じ姿勢で居続けることが多い
- 運動不足を感じる
- 汗をあまりかかない
- 水分をよく摂取する
- アルコールをよく摂取する
- 冷え性である
- 肩こりを感じる
- 全身に倦怠感がある
5個以上当てはまる人は要注意です。
むくみを放置するとこんな危険が
むくみを放置すると慢性化する可能性があります。むくみは水分が一か所に留まることで、細胞への栄養素の運搬や老廃物の排出も阻害します。そのため一度むくんで適切に処置しないとさらにむくみが悪化する可能性もあります。
また、単なるむくみと思っていても、水分を排出する役割の腎臓や血管内の水分保持に関わるアルブミンを生成する肝臓になんらかの障害が発生している可能性もあります。「単なるむくみ」と放置せず、生活習慣を変えるなどといった改善をする必要があります。
むくみを解消する食べ物・サプリメント
むくみは慢性化しやすいため、発生するたびに解消する必要があります。むくみの解消方法を解説します。
カリウム
カリウムは必須ミネラルの一つです。摂取基準は以下の通りです(単位:mg)。
男性 | 目標量 | 女性 | 目標量 | |
1-2歳 | 900 | 800 | ||
3-5歳 | 1100 | 1000 | ||
6-7歳 | 1300 | 1800 | 1200 | 1800 |
8-9歳 | 1600 | 2000 | 1500 | 2000 |
10-11歳 | 1900 | 2200 | 1800 | 2000 |
12-14歳 | 2400 | 2600 | 2200 | 2400 |
15-17歳 | 2800 | 3000 | 2100 | 2600 |
18-29歳 | 2500 | 3000 | 2100 | 2600 |
30-49歳 | 2500 | 3000 | 2100 | 2600 |
50-69歳 | 2500 | 3000 | 2100 | 2600 |
70歳以上 | 2500 | 3000 | 2100 | 2600 |
人間の体内では、カリウムはほとんど細胞内に含まれています。カリウムは細胞外液に多く含まれているナトリウムと相互に作用しながら、体内の浸透圧を調整して水分の保持に働きます。またカリウムはナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、体外への排出を促進します。
体内のカリウムとナトリウムは一定のバランスで保たれています。カリウム不足やナトリウムの過剰摂取により体内のナトリウム濃度が高くなることがあれば人体は細胞内に水を蓄えてナトリウム濃度を下げるよう働きます。その結果、むくみを発生させます。
カリウムはナトリウムの濃度を調整して体外への排出を促すため、水分の細胞内の停滞を防ぎ、むくみの解消に効果的です。
カリウムを多く含む食品
カリウムは野菜や豆類、海藻類などに多く含まれています。通常の食生活で不足することはありませんが、むくみの解消や高血圧の予防などのために積極的に摂取したい成分です。身近な食品では以下のような含有量となっています。
- ほうれん草半束(約100g):500mg
- 豆腐1丁(約300g):450mg
- 納豆1パック(約50g):300mg
- 鶏ささみ1本(約50g):210mg
メリロート
メリロートはヨーロッパを中心に分布しているマメ科の植物です。ヨーロッパでは古代より薬用ハーブとして利用され、捻挫や打撲などを鎮めるための外用薬や、頭痛・消化不良治療の内服薬として用いられてきました。メリロートは別名で「スイートクローバー」と呼ばれるように、甘い香りがするため、お酒やスパイス、チーズなどにも利用されてきた歴史もあります。
メリロートには「クマリン」と呼ばれる抗酸化物質が含まれています。クマリンは血液の凝固を防ぎ、血流を改善する作用があります。血液の流れが滞っていると体の末端部への栄養補給や老廃物の運搬に支障が出るため、むくみや冷え性などを発生しやすくなります。クマリンは血流を改善し、栄養補給や老廃物の運搬を円滑にすることでむくみの解消に働きます。
血流を改善することでむくみ以外にも冷え性や基礎代謝の向上などにも効果があるため、女性に嬉しい成分ということができるでしょう。
トウモロコシのひげ
トウモロコシのひげにはカリウムが非常に豊富に含まれています。一説には、スイカの50倍のカリウムが含有されているといわれています。スイカのカリウム含有量は100g中120mgほどなので、単純計算で100gのトウモロコシのひげには6,000mgのカリウムが含有されていることになります。
カリウムは体内の細胞内に含まれ、ナトリウムと相互に作用して浸透圧の調整や細胞内の水分保持に働きます。また過剰なナトリウムを体外に排出する作用もあるため、摂取するとむくみの解消効果が期待できます。
トウモロコシのひげを食べることは難しいため、お茶として飲むかサプリメントで摂取するのがオススメです。
赤ブドウ葉
通常のブドウは、果皮が赤や紫色をしていても果肉は緑がかった色をしていることが多いです。しかし赤ブドウは果皮のみならず、果肉にも豊富に赤い色素が含まれていて果肉の赤色が濃いことが特徴です。また葉にも同様に赤い色素が豊富に含まれています。色素の正体はアントシアニンなどのポリフェノールです。
「赤ブドウ葉乾燥エキス含有製剤摂取による下肢のむくみの軽減効果(アスク薬品(株)、2012年10月1日、応用薬理)」によると、足のむくみを自覚している20歳以上70歳未満の女性17人に対して1日600mgの「赤ブドウ葉乾燥エキス製剤」とプラセボによる試験を行った結果、むくみを軽減する機能を有することが示唆されたという結果になっています。
同様に、第10回日本予防医学会学術総会で発表された(株)オルトメディコ、アスク薬品(株)、Frutarom Swizerland、明治薬科大学が行った「赤ブドウ葉乾燥エキスのむくみに対する試験」では赤ブドウ葉エキスを1日600mg、6週間続けて摂取した際、むくみ量が有意に減少したという結果も出ています。
赤ブドウ葉は現在、新しい健康と美脚の素材としてサプリメントや化粧品などさまざまな製品に利用されています。学術試験においてむくみに効果的と証明がされている素材なので、ぜひ積極的に摂取したい成分です。
明日葉
明日葉(あしたば)は日本原産のセリ科の植物です。房総半島や紀伊半島、伊豆諸島などの温かい地域に分布している植物で、「明日になれば葉が出る」という名の通り、非常に成長の速い野菜として食用されてきました。栄養素が非常に豊富に含まれていて、100g中に以下の栄養素が含まれています。
明日葉はミネラルの中でもカリウムの含有量が多いため、過剰なナトリウムの排出を促し水分が体に留まるのを防ぐ作用があります。また明日葉には「カルコン」という抗酸化物質が含まれており、血液の粘度を軽減したり凝固を抑えたりする作用を発揮します。血流を改善することで身体の末端部への栄養補給や老廃物の運搬をスムーズにするため、むくみの改善効果が期待できます。
明日葉はカリウムとカルコンのダブルの力でむくみを撃退します。明日葉を通常の野菜として常食する地域もありますが、一般的なスーパーなどでは手に入れづらいのが現状です。青汁やサプリメントなど買い求めやすい商品も多数出ているので、そういった商品を利用するのが手軽でしょう。
むくみをとるための運動・トレーニング
下半身の筋肉は血液を心臓へと戻すポンプのような働きをします。そのため運動を行うことは特に足のむくみの解消に効果的です。同時に発汗によりナトリウムを体外に排出する効果もあるため、塩分過多によるむくみの解消にも効果的です。
ウォーキング
まずは1日に30分程度から始めてみましょう。運動量を増加させるためにも腕を大きく振りながら、心もち足を高く上げることを意識しましょう。運動負荷としては軽く汗ばむくらいを目指しましょう。
ランニング
体力に自信のある人はランニングを始めてみましょう。運動負荷や発汗量はウォーキングよりはるかに高いため、むくみの解消に効果的です。息が上がるほど激しく走る必要はなく、おしゃべりができるくらいのスピードで30分~1時間ほど走ることを目標にしましょう。
カーフレイズ
運動をする時間をなかなか取れない人におすすめの方法です。ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングで背伸びをするようにかかとを上げ、ゆっくりともとに戻すトレーニング方法です。血流改善に効果があり、空いた時間でどこででもできるため気軽に行うことができます。ふくらはぎのラインをきれいに見せる効果もあるため女性におすすめの方法です。
むくみの解消に有効なマッサージ・ツボ
顔のむくみをとる
顔のむくみの場合、意識したいのが天柱と太陽というツボです。
天柱
首の後ろの髪の生え際のあたりにあるツボです。塩分を排出する腎臓の働きを活発にする効果があります。親指以外の4本指で頭を抑えつつ親指で天柱を押しましょう。痛くない程度に5秒ほど押すのを5-10回ほど続けます。
太陽
こめかみの中央にあるツボです。新陳代謝を活発にして顔のむくみを解消する効果があります。人差し指と中指で太陽を押します。痛くない程度に5秒ほど押すのを5-10回ほど続けます。
下半身のむくみをとる
下半身のむくみの場合、意識したいのが三陰交と太谿と照会という3つのツボです。
三陰交
足の内側のくるぶしから指4本ほど上にいったところにあるツボです。下半身の血流を改善する効果があります。親指で痛くない程度に5秒ほど押すのを5-10回ほど続けます。
太谿
足の内側のくるぶしの下の部分の少しくぼんだ所にあるツボです。全身の血流を改善する作用があります。親指を使い痛くない程度に5秒ほど押します。押したのと同じくらいの時間をかけてゆっくりと離します。このセットを5-10回ほど繰り返します。
照海
足の内側のくるぶしの下端から真下に下がったところにあるツボです。冷えを解消して血流を改善させる効果があります。親指でツボを押さえ5秒ほど押してゆるめるのを3分ほど続けます。
顔のツボも足のツボもお風呂中や出た後などで血行が良くなっているときに行うとなお効果が大きくなります。
入浴の仕方を変えてむくみを改善する
入浴で解消する場合、しっかりと体の芯まで温めて血流を改善することと、しっかり発汗することが重要です。そのために半身浴を行いましょう。みぞおちが浸かる程度の深さの38-40度のお湯を用意します。入浴前に水分をコップ1杯ほど摂取して水分補給をしてから20-30分ほど浸かります。
38-40度は多少ぬるめのお湯ですが、ゆっくりと時間をかけて浸かることで血流改善と発汗効果が期待できます。入浴しながらツボを押すとさらに効果が高まるでしょう。
むくみで医療機関での診察を受けるのはどんなとき?
むくみは基本的には一過性のものです。例えばアルコールの飲み過ぎや塩分濃度の高いものを大量に食べた、1日中立っている必要があったなどの原因でむくみが発生した場合は、基本的に2-3日で通常通りに戻ります。
しかし何日も経っているのにも関わらずむくみが収まらないという時は病院に行くことをおすすめします。また、以下のような自覚がある場合は病院での受診を強くおすすめします。
- 動悸、息切れを併発する
- 夜、就寝して起きてもむくみが継続している
- 普段と変わらない生活なのに尿の量が減る
- 1日で1.5kg以上、または数週間で3kg以上体重が増加する
上記のような場合、塩分を排出する役割を持つ腎臓や、水分保持に関わる成分を生成する肝臓、血液を全身に送る心臓などに異常が発生している可能性が考えられます。
また「下肢静脈瘤」という、静脈に血液が溜まることで血管が膨張しこぶのような状態になる病気の可能性も考えられます。中年期以降の女性に多く見られる病気です。またPMSや更年期障害でもむくみは発生するため、原因の特定が必要になります。
何が原因でむくみが発生しているかを判断することは非常に難しいので、まずは内科への受診をしましょう。病院に行く際は以下のことをあらかじめまとめておくとよいでしょう。
- 既往症はありますか?
- 特に腎臓、肝臓、心臓に疾患はありますか?
- むくみはいつから発生していますか?
- よくむくみますか?
- 体重と体脂肪率はどのくらいですか?
- 普段はどのような姿勢でいることが多いですか?
- 月経周期は正常ですか?
- どんな食生活ですか?
水分が細胞組織に留まる、いわゆるむくみならば、主に利尿薬を用いて体外に余分な水分を排出する療法となります。万が一そのほかの疾患の場合はそれぞれに応じた治療を行います。
漢方における水毒とは?むくみとの関係
中国の漢方医学においては身体の水分の代謝障害のことを「水毒(すいどく)」と呼びます。水分の摂取量に対して排出される量が極端に少なかったり部分的に水分が偏在したりすることで、水毒によるさまざまな症状が現れます。
代表的なものは水腫(すいしゅ)といういわゆるむくみですが、代謝の低下や高血圧症も引き起こすといわれています。漢方による治療のアプローチとしては以下のようなものがあります。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
血行を促進して身体を温めるため冷え性や貧血症の改善をする漢方薬。
茵蔯五苓散(インチンゴレイサン)
体内に過剰に存在する水分の排出を促す漢方薬。
越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)
利尿作用を高め水による腫れを発散させる漢方薬。
などを利用します。
お酒を飲んだ次の日にむくみが発生する理由
飲み過ぎた次の日にむくみが発生しやすいのは以下の3つの理由によります。
1. 利尿作用
アルコールには利尿作用があります。そのためアルコールを飲み過ぎると体外へ水分が排出されすぎて水分不足の状態になる可能性があります。身体が水分不足の状態に陥ると血液の濃度が上がるため、身体は血液濃度を下げようと血液中に水分を蓄えようとします。
2. アルコールの分解
アルコールは肝臓で分解されます。しかしアルコールを分解するためには水分が消費されます。利尿作用で水分が体外に排出されやすくなっているのにも関わらず、分解には水分が必要なためより身体は水分不足に陥りやすくなります。
3. 血管透過性の亢進
アルコールを摂取すると血管が拡張され、血管から血管の外へ水分が透過しやすい状態になります。アルコールの利尿作用と分解によって水分不足に陥り、血管内に水分を蓄えようとすると血液透過性の亢進作用によって血液外の細胞組織に水が送り込まれやすい状態になります。
この3つの作用のため、飲酒の翌日は細胞組織に水が溜まりむくみが発生しやすくなります。翌日のむくみの予防のためには以下のことに気を付けましょう。
- アルコールは適量を守る
- 急激な水分不足に陥らないように和らぎ水も飲む
- 塩分の高いおつまみを食べ過ぎない
- カリウムの多い野菜類のおつまみを選ぶ
ただし、気を付けていてもむくみが発生する可能性があります。もし翌日むくみが発生してしまった場合、朝しっかりと半身浴をして汗を流すとよいでしょう。時間に余裕があるならばウォーキングなど汗の出る有酸素運動も行うとなおよいです。
むくみにまつわるQ&A
妊娠中は胎児に栄養素を与えるために血液量が増加します。結果、体内の血液と水分量のバランスが崩れてむくみが発生しやすくなります。また急激な体重増加やつわりによって動くことが億劫になってしまい、運動不足や同じ姿勢で居続けるということも要因になります。血液量が増加してしまうのは避けられないことですが、可能な限り運動を行ったり塩分の過剰摂取は避けたりすることで、むくみを予防したり軽減したりすることは可能です。
入浴や運動で体温が上がると血流がよくなってむくみの予防に効果的なように、カイロなどで体を温めることもむくみに効果的です。貼る部位としては、血流の多い動脈部分が通っている太ももやふくらはぎ、塩分を排出する役割の腎臓部などがおすすめです。温めたタオルで首筋を蒸らすのもおすすめです。
座りながらだと、残念ながら効果的な解消法は少ないです。水分をしっかり補給することと姿勢よく座ること、足つぼつきのサンダルなどを履くことなどが挙げられます。多少動作できる環境ならば、上で紹介した「カーフレイズ」のように、つま先立ちのようにしてふくらはぎに刺激を与えることも効果的です。座りっぱなしが多い場合は、エレベーターではなく階段を利用する、一駅分余分に歩くなど下半身に刺激を与えましょう。
高血圧の場合、むくみやすくなります。高血圧だと心臓に負担がかかり、その働きが低下します(心不全)。その結果、毛細血管に圧力が生じ、水分が血管の外の細胞組織に溜まりやすくなります。また高血圧の場合、腎臓にも負担を与えます。塩分の排出が阻害されるのでやはりむくみが発生しやすくなります。
どちらから、ということはありません。好みでよいでしょう。もちろん併用すれば効果は尚上がります。ただし高血圧由来のむくみの場合は、圧を与えることで悪化する可能性があるため、サプリメントのみにとどめたほうがよいでしょう。
血流を良くするために温冷療法が効果的です。水にぬらしたタオルを電子レンジで20秒ほど温めて、むくんでいる部位にタオルが冷めるまで当てます。その後、水に濡らして冷やしたタオルをもう一度その部位に当てます。これを何度か繰り返します。目を擦ってしまうと悪化してしまうのでそれは避けましょう。
重力と気圧の影響で血液が下半身に溜まりやすくなるからです。
また機内は乾燥しているため、水分不足になりがちなのも要因の一つです。
機内ではスリッパなどの足に負担が少ないものに履き替える、水分はこまめに摂取する、しっかりとトイレに行き下半身を動かす、といったことに気を付けると症状が軽減されるでしょう。
まとめ
むくみは血液やリンパ液が細胞組織に留まることで発生します。
塩分やアルコールの摂取過多や運動不足などが原因になって発生します。むくみは慢性化しやすいため、可能な限りすぐに対処したほうがいいでしょう。
症状の解消や改善のためにはカリウムによる塩分の排出やポリフェノールによる血流改善などが効果的です。
もちろん栄養面だけではなく運動やツボなども合わせて行うとさらに効果が高まります。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。