多汗症(脇汗・手汗)の原因別対策~食事6ヵ条・生活4ヵ条とおすすめ制汗グッズ

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多汗症の脇汗多汗症は、気温や室温に関係なく脇や手から大量の汗が分泌される症状です。どうしても目立ってしまうため、恥ずかしさにより日常生活に支障が出てしまいがちですよね。

まずは多汗症の症状と原因をお伝えします。それから、効果的な対策をアドバイスしていきます。

多汗症の症状と、原因・発生メカニズム

多汗症とは

汗は、体温を調節するための人体に必要不可欠な生理現象です。気温が高かったり、運動を行って体温が上昇したりすると、汗を分泌して、気化熱として発散することで、体温を下げる作用があります。体質的に汗を多くかいてしまう「汗っかき」な人もいますが、多汗症は汗っかきとは別物です。

多汗症は、腋や手のひら、足の裏などの、汗腺が集中して分布している部位で大量の汗をかいてしまう症状です。多汗症では、気温や体温の上昇とは関係なく症状が発生し、大量の汗が分泌されます。ただし症状の発生する部位や、分泌される汗の量は個人差があるため、個人で多汗症かどうかの判断をするのは難しいのが特徴です。

多汗症による汗が発生する部位

多汗症では、汗腺(※)のうち、主に体温調整の働きを行う「エクリン腺」という器官から汗が分泌されます。エクリン腺から分泌される汗は、気温が高いときや運動を行うとき、寝ているときなどの汗です。汗の成分としては、99%以上が水分で構成されていて、残りを塩化ナトリウムやカルシウムといった微量ミネラルや、乳酸といった有機酸が占めています。

エクリン腺は全身に分布している汗腺ですが、多汗症の場合は、特に汗腺が密集して分布している部位に発生します。代表的な部位は以下のようなものです。

腋の下

脇の下に発生する多汗症は、腋窩(えきか)多汗症と呼ばれます。多汗症の中で最も多いと言われている発生部位です。汗シミが非常に目立ってしまうため、精神的ストレスを引き起こしやすくなります。

手のひら

手のひらに発生する多汗症は手掌(しゅしょう)多汗症と呼ばれます。掴んでいるものが滑るくらいの汗が手のひらから分泌されます。

足の裏

足の裏に発生する多汗症は足蹠(そくせき、そくしょ)多汗症と呼ばれます。足の裏から靴下や靴が濡れるほどの汗を分泌します。足は靴下や靴で通気性が悪く蒸れやすいため、悪臭や水虫の原因の一つにもなります。

顔に発生する多汗症は顔面多汗症と呼ばれます。顔の発汗は目立ちやすいので日常生活で不便を生じやすい多汗症です。

※汗腺とは
汗腺とは汗を分泌する器官です。エクリン腺とアポクリン腺という2種類が存在し、それぞれ役割の違う汗を分泌します。

エクリン腺
エクリン腺は全身に分布する汗腺です。エクリン腺から分泌される汗は99%以上が水分で、残りを塩化ナトリウムやカルシウム、カリウムといったミネラル類、乳酸といった有機酸類で構成される汗です。役割としては主に体温調整を担っています。気温や体温の上昇とともに発汗量が多くなり、汗に含まれる水分が蒸発することで気化熱として、熱を発散する役割があります。水が99%以上を占めていることから分かるように、汗自体にはほとんど臭いがありません。しかし汗を拭いたりシャツを替えたりすることなく放置すると、皮膚に存在している常在菌の働きで臭いを発生させるようになります。

アポクリン腺
アポクリン腺は脇の下や耳の後ろ、首回り、陰部などの限られた部位に存在する汗腺です。アポクリン腺から分泌される汗は70-80%ほどを水分で、残りをタンパク質や脂質、鉄、アンモニアなどで構成されています。エクリン腺から分泌される汗と比べて水分の量が少なく、水分以外の構成物質が多いため、この汗自体にも特有の臭いがすると考えられています。脇の下や陰部など臭いが強くなりがちなところに多く分布しており、フェロモンとしての役割があると考えられています。

アポクリン腺から分泌される汗は表皮に存在する菌の影響によりワキガの原因となります。多汗症とワキガは併発することが比較的多いことが特徴です。

多汗症かも?多汗症セルフチェック

以下の症状がある人は多汗症の可能性があります。この記事の後半で解説する対処方法や、医療機関への受診をおすすめします。

  • 全身ではなく特定の部位に大量の発汗がある
  • 日常生活に支障をきたすくらいの大量の発汗がある(恥ずかしい、汗シミが目立つくらいで構いません)
  • 発汗が気温や体温の上昇によらず発生する
  • 緊張しやすい
  • 衣服の脇部分に汗シミが発生する/紙を触ると汗で濡れる/靴下が汗で濡れている

多汗症は特定の部位に発生することが多い症状です。全身に汗をかくわけではないのに一部に発汗がある場合、多汗症の可能性が高いでしょう。ただし非常に稀ですが全身から多汗症の症状が現れる全身多汗症もあります。

多汗症の原因とは?

多汗症の原因ははっきりと特定されていません。しかし以下のような原因は多汗症を誘発すると考えられています。

多汗症を誘発する疾患

  • バセドウ病
  • リウマチ
  • 糖尿病
  • 褐色細胞腫
  • 結核

といった特定の疾患に罹患すると多汗症を発症する可能性があります。疾患由来の多汗症の場合は、全身から大量の汗を分泌する、全身多汗症を発症することが多いです。

精神的ストレス・緊張・不安が多汗症を招く

多汗症は精神的な要因による原因が大きな影響を与えていると考えられています。ストレスや緊張、不安は自律神経のうち交感神経を活発にして汗腺の働きを促進させます。精神的なストレスを感じやすい人すべてに多汗症の症状が現れるわけではありませんが、発症する割合は高くなります。

ホルモンバランスの乱れが多汗症を招く

ホルモンバランスが乱れると同時に自律神経も乱れて交感神経が刺激されます。そのため汗腺の働きが促進されて多汗症が発生しやすくなります。生理や妊娠、更年期が存在する女性に多く見られる原因ですが男性にも考えられる原因です。

生活習慣の乱れが多汗症を招く

発汗をしやすくなる生活習慣が積み重なることで発汗量が多くなることもあり得ます。肥満、アルコールの摂取、カフェインの摂取、喫煙習慣、不規則な生活などは自律神経を乱すため発汗を促してしまう可能性もあります。

多汗症の対策~多汗症を改善するための食事の摂り方6つのポイント~

多汗症改善のためには、食事の際に次のような点に気をつけると効果的です。

カフェインの摂取を控える

コーヒーや緑茶、栄養ドリンクなどに多く含まれるカフェインは交感神経を刺激し、体が汗をかきやすい状態にする作用があります。一般的な多汗症の人は、精神的ストレスやホルモンバランスの乱れなどにより交感神経が活発になり、汗が大量に出てしまうと考えられています。カフェインを摂取することでより汗の出やすい状態になってしまうため、可能な限り避けたほうがよいでしょう。

タンパク質を摂取しすぎない

食べ物の消化は消化器が消化酵素を分泌したりすることで活発に活動を行います。タンパク質は消化の際に脂質や糖質と比べてよりエネルギーが必要なため、食事誘発性体熱産生(栄養素の分解、吸収の際に必要な代謝反応)が大きくなります。タンパク質を摂取しすぎることで体温が高まり、汗をかきやすい状態になってしまうため、摂取しすぎないようにしましょう。

スパイスや辛いものなどを食べない

トウガラシなどに代表される香辛料は交感神経を活発にする作用があります。身体を温めたり血流を促進させたりする作用があるため、体によい影響を及ぼす反面、多汗症の人にとっては汗をかきやすい状態になってしまいます。多汗症で悩んでいる場合はスパイスなどを使用した食べ物は、なるべく家などで食べるようにするとよいでしょう。

適切なカロリー摂取をする

肥満に人は皮下脂肪が多い傾向にあります。皮下脂肪は体温の維持のために必要ですが、多すぎると必要以上に体温を内側にこもらせてしまいます。体温が上がりやすくなってしまうため、多汗症の人はより汗が出やすくなってしまいます。

  • 暴飲暴食
  • 脂っこい食べ物
  • 甘い食べ物

などは避け、適正体重にすることで汗をかきにくい体質にすることが期待できるでしょう。

多汗症を改善するために摂取したい栄養成分

多汗症を改善するためには、次のような成分を意識してサプリメントやお茶などで摂取していくのも有効です。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンが女性の多汗症に効果的な理由
特に女性の多汗症に効果的なのが大豆イソフラボンです。女性の場合は生理があるため、定期的にホルモンバランスが崩れやすく、自律神経も乱れがちです。大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと非常によく似た構造をしており、摂取すると体内でエストロゲンと同じような働きを示します。そのため、崩れやすいホルモンバランスの量を正常に整えてくれるという働きがあります。

大豆製品を摂取すると、イソフラボンは腸内細菌の働きにより分解され「アグリコン」という物質に変化します。生理や妊娠、更年期などでホルモンバランスが乱れ、減少したエストロゲンを補ってくれます。自律神経の調整にも効果的です。

自律神経が調整されると、興奮状態で活発になった交感神経が静まり、多汗症が軽減されるほか、イライラや不眠といったストレス関連の症状も軽減することができます。特に更年期障害やPMS(月経前症候群)といった症状を改善するのに効果的なので、女性で多汗症に悩んでおられる方は、ぜひイソフラボンの摂取を意識して食生活を送ってみてください。

女性に適したイソフラボンの摂取目安量
イソフラボンは、1日に75mg摂取するとホルモンバランスの調整に効果的であると考えられています。イソフラボンを含む身近な食品には、次のようなものがあります。

  • 豆乳:200mlの紙パック1本でイソフラボン40mg
  • 納豆:1パックでイソフラボン65mg
  • 豆腐:1/2丁でイソフラボン40mg
  • 味噌汁:1杯でイソフラボン5mg

和食中心の食生活ならば簡単に摂取できる量でしょう。洋食中心の食生活や大豆製品が好きではない場合は、サプリメントで摂取するのがおすすめです。

ラベンダー

ラベンダーがの多汗症に効果的な理由
ラベンダーは古くから利用されているハーブです。地中海地方が原産の植物で食品として利用されるほか、精油やポプリ、入浴剤、防虫剤などさまざまな用途に使われています。非常によい香りがすることが特徴で、神経を落ち着かせる作用があります。

ラベンダーの香りはうつ状態やイライラ、不眠症、めまい、軽度の頭痛などを軽減する作用があります。多汗症は精神的な緊張・ストレス・不安が交感神経を刺激して発生すると考えられています。会議や重要なプレゼンテーション、試験、面接など、精神的なストレスが大きいタイミングではラベンダーの香りでリラックスして、不安な気持ちをを落ち着かせてみてください。

ラベンダーの香りは女性のPMSや更年期障害による、精神的な不安定の軽減にも効果的です。

多汗症対策として効果的なラベンダーの使い方

  • ラベンダーは、お茶として飲んだり、アロマオイルで香りをかぐ方法で取り入れるのが一般的です。家に常備しておくと安心ですよ。
  • ラベンダーティーを常備し、飲み物として飲む。
  • ラベンダーの精油を使ってアロマテラピー、アロママッサージをする。
  • アロマディフューザーでラベンダーオイルを部屋に香らせる
  • ラベンダーオイルを染み込ませたハンカチを持ち歩いて不安になったら香りをかいだり、枕元に置いて安眠に役立てる

ラベンダーのお茶とオイル、両方を併用するとよいでしょう。

多汗症の対策~多汗症を改善するための生活習慣4つのポイント~

入浴や普段のケア製品など生活習慣による多汗症改善の方法も効果的です。できそうなものから試してみましょう。

ミョウバンを活用する

ミョウバンとは、アルミニウムやカリウムを含む硫酸塩の総称です。日常生活の中では食品添加物として主に利用されていて、ウニの型くずれを防ぐともに保存性を上げたり、ナスの漬物の発色の安定などに利用されており、人体には安全な物質です。。そのほか皮のなめしや染色剤としても利用されます。

ミョウバンには「収れん作用」という働きがあります。収れん作用とは、タンパク質を変質させることで組織や器官を縮める働きのことを指します。簡単に言えば、肌を引き締める効果があるということです。ミョウバンを入浴剤として利用したり、ミョウバン水を作って多汗の部位に塗ることで汗腺が縮んで引き締まり、汗の量が少なくなる効果が期待できます。

ミョウバンは全国の薬局で販売している身近なものです。簡単な使い方をご紹介します。

  1. ミョウバン水を作る:市販のミョウバン50gほどを1~1.5リットルの水に溶かします。そのミョウバン水を、ティッシュやガーゼ、ハンカチなどに浸し、多汗の部位に塗ると効果的です。
  2. ミョウバン水で入浴する:ミョウバン水を50ミリリットルほどお風呂に入れてミョウバン風呂に浸かると、全身にミョウバンの収れん(引き締め)効果が得られます。
※ただし、いずれも肌に異常が現れた場合はすぐに使用を中止して、水で洗い流すようにしましょう。


ミョウバンはさまざまな種類の金属が含まれており、臭いの原因物質の分解を促進させてくれます。多汗症だけでなく、体臭の軽減にも効果的なので、多汗とともに体臭に悩んでいる人にもおすすめです。

クロルヒルドキシアルミニウム、塩化アルミニウムを含むグッズを使う

クロルヒルドキシアルミニウムと塩化アルミニウムは、ともに含まれるアルミニウムが多汗症を抑えるための中心的な物質となっています。アルミニウムが多汗症を治してくれるメカニズムは、以下の流れによるものです。

  1. クロルヒルドキシアルミニウムと塩化アルミニウムを肌に塗ると、アルミニウムが水分と反応する。
  2. クロルヒルドキシアルミニウムと塩化アルミニウムが、水酸化アルミニウムという物質に変化する。
  3. 水酸化アルミニウムは、皮膚を構成するタンパク質の一つであるケラチンと反応し、角栓となって汗腺を塞ぐ。
  4. 角栓状となったアルミニウムが汗腺のふたとなり、汗を抑制させる。

この汗腺を塞ぐ作用は、永続するのではなく、肌のターンオーバーによって効果が弱まりますので、一度使えば完了というわけではありません。毎日継続的に塗布することが重要です。

クロルヒルドキシアルミニウムよりも、塩化アルミニウムの方が制汗作用をもつ成分としては一般的で有名ですが、クロルヒルドキシアルミニウムの方が肌への負担が少ない成分です。今まで、塩化アルミニウムが含まれる制汗剤などで肌荒れなどが現れた人にも、クロルヒルドキシアルミニウムは安心しておすすめできる成分です。

汗をかく習慣を作る

根本的な多汗症の改善策ではないのですが、意識してわざと汗をかく習慣を作ることも重要です。多汗症はエクリン腺から大量の汗が分泌されてしまう症状ですが、エクリン腺からの汗は臭いがほとんどしません。しかし日常的に汗をかく習慣がない場合は、汗腺が詰まって汚れていたり、汗に臭いの原因物質が含まれたりすることで、量が多いだけでなく、臭いやすい汗になってしまう可能性があります。

汗を日常的にかいていると汚れが溜まりにくく、臭いの少ない汗にすることが可能なので、ゆっくりと入浴をしたりスポーツをしたりすることで汗をしっかりかきましょう。

汗をかいてしまうことを気にしすぎない

多汗症は、精神的なストレスや不安、緊張が原因で発生すると考えられています。多汗症であることを気にしすぎてしまうと、さらに精神的なストレスが強まり、ますます汗が大量に分泌されてしまいます。あまり気にしすぎないことも重要です。

医療機関による多汗症治療

多汗症を病院で治療する場合は、原則として皮膚科、もしくは美容皮膚科、形成外科で行われます。日本皮膚科学会が制定する多汗症治療のガイドラインによると、下記の条件に当てはまる場合を「多汗症」と診断しています。

  1. 明らかな原因が無い状態で
  2. 局所的に過剰な発汗が
  3. 6か月以上継続し

の3つを満たし、かつ

  1. 最初に症状が現れるのが25歳以下であること
  2. 対称性に発汗が見られること(両手、両脇など)
  3. 睡眠中の発汗は止まっていること
  4. 一週間に一回以上の多汗エピソードがあること
  5. 家族歴がみられること
  6. それらによって日常生活に支障をきたすこと

のうち2項目以上に当てはまる場合を多汗症と診断しています。

このガイドラインに従い、医師の判断によって治療すべきとなった場合、特定の方法で健康保険を適用した上で治療することが可能です。もちろん自由診療(保険適用外の自費)ならば、上記の条件を満たしていなくても治療が可能です。治療の選択肢は、以下のようなものが挙げられます。

塩化アルミニウムを外用薬として塗る

手のひらに現れる多汗症、足裏に現れる多汗症、脇の下に現れる多汗症の全てにおいて、塩化アルミニウムの外用が第一の選択肢として挙げられます。塩化アルミニウムは、【クロルヒルドキシアルミニウム、塩化アルミニウム】の項目で解説したように、汗腺を塞いで汗を抑制する作用があるため、多汗症に対して有効であると考えられています。

塩化アルミニウム治療の費用
塩化アルミニウムの薬剤に対しては保険適用できませんが、診療費は保険を適用することができます。診療費と塩化アルミニウムの費用を合わせて、おおよそ2,000円程度の費用がかかります。

ボトックス注射

第二の選択肢としては、A型ボツリヌス毒素局注療法(ボトックス注射)が挙げられます。ボトックス注射を行うことで、汗を分泌する神経物質であるアセチルコリンの放出を阻害して、発汗を抑制します。永続的に発汗が阻害されるわけではなく、数回にわたる注射が必要になります。

ボトックス注射の費用
保険適用した場合で、30,000円弱が目安です。

塩化アルミニウムを塗る・ボトックス注射で効果がない場合、外科的手術も検討する

塩化アルミニウムの塗布やボトックス注射で多汗症の症状が改善されない場合は、「交感神経遮断術」という外科的手術による治療も選択肢に上がります。

発汗に関わる神経を物理的に焼却、切断することで発汗を抑制します。ただし、手汗、足裏の汗、脇汗が解消したとしても、代わりに他の部位からの発汗量が増えてしまう可能性もあり、リスクも比較的高めな治療法となります。

手術(交感神経遮断術)の費用
保険適用した場合で100,000円弱ほどになります。

多汗症を治療すべきかどうかは、個人での判断は非常に難しいです。専門家のカウンセリングのもと慎重に決めましょう。

多汗症を治す方法 よくあるQ&A

手汗に悩む二十代女性です。気のせいか、夏より冬の方が手汗がひどく、自分のかいた汗で手が冷えてしまうという悪循環になってしまいます。理由と対処法を教えてください。

多汗症の場合は、気温や体温があまり関係ありません。そのため夏でも冬でも特に関係なく、汗が大量に分泌されてしまいます。あなたの場合、精神的なストレスによって手に大量に汗が分泌されていることが考えられます。

冷えに対する対策は、デオドラントシートやハンカチでこまめに汗を拭くことです。冬に多く汗をかいてしまう理由は、「夏と違って気温が高くないのに手汗をかいたら嫌だな」という精神的な緊張によるものが大きいと考えられます。極論を言ってしまえば、手汗を気にしないことが一番の対策です。どうしても気になる場合は、制汗剤やスプレー、クリームなどを利用しましょう。安心アイテムを持っておくと落ち着く効果もありますよ。

十代女性です。緊張したり、手汗を指摘されることを想像したりするだけで手汗がぼとぼとと出てしまうのですが、精神的な問題なのでしょうか。精神科と皮膚科、どちらを受診するべきですか?

手や足に発生する多汗症は、主に精神的な理由によるものと考えられます。一度精神科で精神療法を受けてみるのもよいでしょう。ただし実際の汗を抑制させる方法については、どちらかといえば皮膚科の専門分野となります。可能ならば手汗、多汗症の専門のクリニックを受診して、その後の治療や改善の方法について相談するのがよいかと思われます。

二十代男性です。ワキガではないのですが、脇汗と匂いが気になる場合、脇の毛は剃った方がいいですか?

脇の毛があると湿気がこもり、臭いの原因物質を作る菌群が増殖しやすくなります。また通気性も悪くなり、汗がなかなか乾かなくなるので、できるだけ剃ったほうがよいでしょう。剃るのに抵抗があったり、肌が弱くカミソリが使えなかったりする場合は、短くカットするだけでも効果があります。

脇汗に悩む三十代男性です。自分はやや肥満体形なのですが、汗がひどいのは太っているせいでしょうか。痩せれば多汗症は改善するものですか?

肥満の場合は確かに皮下脂肪により体温が高く維持されがちなので、汗をよりかきやすいと言えます。しかし多汗症は、体温の問題と言うより精神的な原因のことがほとんどです。あなたの場合、多汗症なのか肥満による汗っかき体質なのかの判別がつかないので、まずはダイエットをして適正体重を目指しましょう。それで多汗が改善されれば、多汗症ではなく、肥満による汗っかきだったということがわかります。

二十代女性です。多汗症で日常に支障が出て困っています。注射や手術を検討しているのですが、健康保険は適用になりますか?

詳細は【医療機関による多汗症治療】に書かれているため参考にしてください。多汗症を保険適用して治療するためには一定の条件がありますがそれを満たしている場合は注射も手術も保険を適用することが可能です。

多汗症対策のまとめ

多汗症は、主に精神的なストレスや緊張、不安によって発生する症状です。脇や手など、どうしても目立ってしまう部位に発生することが多いため、ストレスによって日常生活に支障が出てしまう場合もしばしばあります。

根本的な解決策にならなくとも食生活や生活習慣で軽減することは可能ですし、ある一定の条件を満たせば保険を適用して治療することも可能です。精神的な不安が大きいと、さらに多汗症が悪化する悪循環に陥る場合もあるので、どうしても気になるならば一度専門家によるカウンセリングを受けて、治療や対策の方針を相談するのもおすすめですよ。



【執筆者】大見 貴秀医師

大見貴秀医師帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。

「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。

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