男性は女性に比べて薄毛・抜け毛が発生しやすい傾向にあります。
なぜ男性には薄毛や抜け毛が発生しやすいのでしょうか?
抜け毛・薄毛の基礎知識を解説します。また、薄毛・抜け毛が進行した時の対処法も合わせて解説します。
目次
あなたは薄毛・抜け毛になりやすいタイプ?
男性は女性に比べて薄毛・抜け毛が発生しやすい傾向にあります。遺伝的・体質的な理由はもちろん、生活習慣も大きく薄毛・抜け毛に影響を及ぼします。
以下のチェックに当てはまる人は薄毛・抜け毛になりやすい可能性があるため、より注意が必要です。
- 血縁者に薄毛の人がいる
- 髪の毛が細い
- 抜け毛が増えたような気がする
- 思春期以降、髪が薄くなったような気がする
- 体毛が濃い
- 頭皮が脂っぽい
- ストレスが多い
- 脂っこい食べ物をよく食べる
- 喫煙習慣がある
- 過度にアルコールを摂取する
- 生活が不規則である
- 怒りっぽい性格である
- 髪を染める
これらの理由と薄毛の原因を解説していきます。
男性の薄毛・抜け毛の原因は?
男性の薄毛・抜け毛には遺伝と体質的な原因が大きな影響を与えます。男性の薄毛・抜け毛の原因の一例は以下のようなものがあります。
1:男性ホルモン
男性ホルモンは体毛を濃くしたり、髭を生やしたりする作用を持つ内分泌物です。しかし髪に対しては薄毛を発生させたり、抜け毛を発生させたりする原因になります。
男性ホルモンのテストステロンは皮脂腺や前頭部から頭頂部の毛根から分泌される5αリダクターゼという酵素によりDHT(ジヒドロテストステロン)というより強力な作用をもつ男性ホルモンへと変化します。
DHTは生殖能力や筋力、骨格といった男性らしさを発育・促進させる重要なホルモンですが、毛母細胞に存在する受容体に結びつくと毛髪の健全な発毛サイクルを阻害してしまいます。
頭髪にはDHTに反応する受容体が多く存在するため、薄毛・抜け毛が発生すると考えられています。
2:遺伝的要因
男性の薄毛・抜け毛に強い影響を与えるDHTを作る5αリダクターゼを活性させる遺伝子には遺伝性があり、かつ優性遺伝されるため、血縁者に薄毛の人がいると薄毛が現れやすくなります。
3:加齢
加齢することにより全身の機能が低下していきます。頭髪、頭皮に酸素や栄養素を送る血管が細くなり、十分な血流を流すことができないため薄毛・抜け毛が発生する要因となると考えられています。加齢による薄毛は40代を過ぎたころから目立つようになります。
4:ストレス
ストレスを受けると自律神経のうち交感神経が刺激されます。交感神経は血管を収縮させる作用があるため、頭皮を含む 末端部の毛細血管の血流が悪化します。ストレスが多い生活が長く続くと、日常的に栄養素や酸素の不足が発生するため薄毛・抜け毛の要因となります。
5:栄養不足
毛髪はケラチンというタンパク質からできています。筋肉と同じく細胞分裂により発育していくため、栄養不足になると十分な細胞分裂を行うことができなくなります。バランスの悪い食生活を続けていくと栄養不足になり、薄毛・抜け毛のリスクを高めます。細胞分裂に重要な栄養素にはタンパク質、亜鉛、ビタミンB群などがあります。
6:過剰な皮脂
皮脂は頭皮や毛髪を保護するために必要なものですが、皮脂の多い人は脂漏性皮膚炎をリスクが高まります。脂漏性皮膚炎は皮脂を栄養として増殖するカビの一種が頭皮や皮膚に炎症を発生させる病気です。炎症が発生することで頭皮がダメージを受け、血流が阻害されることで薄毛のリスクになると考えられています。
7:紫外線によるダメージ
紫外線は頭皮や毛髪にダメージを与える要因となります。男性は女性に比べて紫外線ケアを行う人が少ないですが、紫外線を浴び続けることによってタンパク質の変質を起こし、髪が抜けやすくなります。
男性の薄毛・抜け毛の原因は、男性ホルモンと遺伝的な要因が大きな影響を与えます。男性の場合は男性ホルモンが多く分泌され始める思春期以降、薄毛が発生する可能性があります。特に血縁者に薄毛の人がいる場合は、若いうちから 丁寧なケアが必要になるでしょう。
男性の薄毛・抜け毛の症状とは?
男性の薄毛はそのほとんどがAGA(男性型脱毛症)と呼ばれるものです。AGAは前頭部の生え際や頭頂部のつむじの部分から薄毛・抜け毛が進行していくことが特徴です。AGAは段階によって分類することができます。
Ⅰ型
薄毛が発生しておらず健常な状態
Ⅱ型
前頭部の生え際が少し後退している状態
Ⅱ型(Vertex型)
Ⅱ型に加え頭頂部も少し後退している状態
Ⅲ型
Ⅱ型よりさらに前頭部の生え際が後退した状態
Ⅲ型(Vertex型)
Ⅲ型に加え頭頂部もさらに後退している状態
Ⅳ型
Ⅲ型よりもさらに前頭部の生え際が後退している状態、半島型
頭頂部もOの形に薄毛が広がっている
Ⅴ型
前頭部の毛髪の後退と頭頂部の毛髪の後退が繋がる寸前の状態
Ⅵ型
前頭部の毛髪の後退と頭頂部の毛髪の後退が繋がった状態
Ⅶ型
毛髪の後退が進み、側頭部にしか残っていない状態
またそのほか、加齢により血管や細胞の働きが低下することで髪の毛のボリュームやターンオーバー機能も低下して薄毛や抜け毛が発生することもあります。
2:男性の薄毛の予防策・改善策
男性の抜け毛は体質や遺伝の要素が大きいため、ある程度発生してしまうのは自然なことです。しかしケアを行うことで進行を抑えたり予防したり、また治療を行うことも可能です。男性の薄毛の予防策、改善策には以下のような手段があります。
食事、栄養成分による対策
毛髪は細胞分裂で増えていきます。毛髪が健全に発育するためにはタンパク質を合成するための栄養素が必要です。以下に挙げる成分を十分に摂取するようにしましょう。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種です。その名の通り、緑色をした葉っぱに多く含まれる栄養素です。別名「造血ビタミン」とも呼ばれるように、血液に含まれるヘモグロビンを作り出すために重要になります。
そのほか細胞が分裂をする際にも必要になるビタミンであるため、毛髪はもちろん筋肉をつけたい時や筋疲労を回復したい時などにも重要なビタミンです。
<男性の葉酸の1日の必要量> (単位:μg)
年齢 | 摂取量 | 推奨量 | 耐用上限量 |
12-14(歳) | 190 | 230 | 900 |
15-17(歳) | 210 | 250 | 900 |
18-29(歳) | 200 | 240 | 900 |
30-49(歳) | 200 | 240 | 1000 |
50-69(歳) | 200 | 240 | 1000 |
70以上(歳) | 200 | 240 | 900 |
葉酸はその名の通りに葉物野菜に多く含まれています。男性は野菜の摂取量が不足している傾向にあるため、意識して摂取することが重要です。また動物の肝臓にも非常に豊富に含有されています。
<葉酸の含有量>
食品 | 目安量 | 成分の含有量 |
モロヘイヤ | 半袋50g | 125μg |
芽キャベツ | 大2-3個50g | 110μg |
ほうれん草 | 1/4袋50g | 105μg |
春菊 | 3株50g | 95μg |
豚レバー | 1切れ10g | 81μg |
牛レバー | 1切れ10g | 100μg |
鳥レバー | 1切れ10g | 130μg |
成人男性ならばおおよそ緑色の強い野菜を100gほど食べることで1日の推奨量をクリアすることができます。またレバーの串ならば1本で推奨量をクリアできます。
しかし葉酸は耐用上限量が存在するため、過剰な摂取も避けるようにしましょう。
亜鉛
亜鉛は人間の体に必要不可欠な必須ミネラルの一つです。人間の体は代謝をするため非常に様々な酵素が働いています。酵素を作るためには亜鉛が必要不可欠で、亜鉛は生体の代謝反応に大きな役割を果たしています。
また、亜鉛は正常な味覚や生殖機能、免疫機能の健康を保つ働きも担います。特に男性の場合は精子の合成に亜鉛が必要です。亜鉛の摂取量が不足すると精子数も減少するので十分な摂取が重要です。
毛髪に対しては、亜鉛はタンパク質やDNAを合成する過程で必要になります。葉酸と同じく細胞分裂に重要な栄養素です。
<男性の亜鉛の1日の必要量> (単位:mg)
年齢 | 摂取量 | 推奨量 | 耐用上限量 |
12-14(歳) | 8 | 9 | – |
15-17(歳) | 9 | 10 | – |
18-29(歳) | 8 | 10 | 40 |
30-49(歳) | 8 | 10 | 45 |
50-69(歳) | 8 | 10 | 45 |
70以上(歳) | 8 | 9 | 40 |
亜鉛は必須ミネラルの中でも不足しやすい傾向にあるため、意識的に摂取するようにしましょう。また亜鉛は必要量、推奨量と耐用上限量に差があるため多めに摂取しても問題の無い栄養素です。
<亜鉛の多い食品一覧>
食品 | 目安量 | 成分の含有量 |
牡蠣 | 大きめ3-4個65g | 約8mg |
タラバガニ | 足1本100g | 4.2mg |
豚レバー | カット5-6枚100g | 6.9mg |
牛肉 | シチュー用肉5-6個100g | 4.6mg |
ビーフジャーキー | 半袋50g | 4.4mg |
チーズ | スライスチーズ5枚100g | 3.2mg |
油揚げ | 2枚100g | 2.4mg |
納豆 | 半パック50g | 1.9mg |
豆腐 | 1丁300g | 1.8mg |
亜鉛が最も豊富に含まれている食べ物は牡蠣です。男性の場合は大き目の牡蠣3-4個で1日に必要な亜鉛を摂取することができます。また牛肉やレバーといった食品にも豊富に含まれています。
しかし肉類の過剰な摂取は肥満やコレステロール値の上昇につながります。亜鉛が豊富に含まれているからといって過剰に肉を食べるのは避けたほうがよいでしょう。
植物性食品である大豆製品にも豊富に含まれているため、肉だけではなく様々な食品を組み合わせて摂取しましょう。またサプリメントの利用もおすすめです。
ノコギリヤシ
ノコギリヤシはヤシ科の植物でその名の通り、ノコギリ状のギザギザした葉っぱが特徴的な植物です。北アメリカ大陸原産の植物で北米インディアンは古来よりノコギリヤシをハーブや薬草として利用してきました。特に泌尿器に対する健康増進作用があると考えられています。
現在ではサプリメントや医薬品としてヨーロッパを中心に利用されています。薬効としては泌尿器に対する効果が高いと考えられており、一例としては以下になります。
またその他、抜け毛を防ぐ作用もあると考えられています。
掲載紙、年度:
internatinal jounal of immunopathology and pharmacology(国際免疫病理薬理誌)2012 Oct-Dec;25(4):1167-73.
論文名:
Comparitive effectiveness of finasteride vs Serenoa repens in male androgenetic alopecia: a two-year study.
(AGAにおけるノコギリヤシとフィナステリドの効果の比較)
においては100人の中度AGAの男性に対し2年間、320mgのノコギリヤシを摂取させました。その結果、38%のAGAの男性に対して髪の成長の増加が確認されています。特にノコギリヤシについては特に頭頂部の毛髪の増量に効果的であったとされています。
ノコギリヤシは現在健康食品として様々なサプリメントが販売されています。AGAや薄毛、抜け毛が気になる時は試してみるのもよいでしょう。
シャンプーの選び方
男性がシャンプーを選ぶ場合は基本的に「scalp(スカルプ)」と名前のついたシャンプーを使うとよいでしょう。スカルプとは「頭皮」のことを指します。スカルプシャンプーとは頭皮ケアを主軸に置いたシャンプーとなります。
男性の頭皮は皮脂の分泌量が多いという特徴があります。皮脂自体は頭皮と毛髪の健康のため必要なものですが、過剰に分泌されると炎症の原因となったりフケが発生して毛穴を詰まらせ、髪の発育を阻害したりします。
皮脂という男性の頭皮の悩みを解決して毛髪の発育を補助するのがスカルプシャンプーです。一口にスカルプシャンプーと言っても種類は様々です。以下のような特徴をもつシャンプーを選ぶとよいでしょう。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸系シャンプーは洗浄成分にアミノ酸を利用していることが特徴のシャンプーです。アミノ酸系シャンプーは洗浄力自体は他のシャンプーに劣るため、丁寧に頭髪と頭皮を洗う必要があります。しかし頭皮や毛髪の原料となるアミノ酸が主成分であること、毛髪と同じく弱酸性であることが理由で刺激が非常に少ないことが特徴です。
アミノ酸系シャンプーを見分ける方法はパッケージの成分表示にアミノ酸が含まれているかどうかです。ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルアスパラギン酸Naなど成分の一部にアミノ酸の名前が含まれているかどうかを確認しましょう。
しかしアミノ酸は非常に多くの種類があって 名称が難しいこともあるため、購入する前に確認するほうがよいでしょう。刺激が弱いため髪が細かったり頭皮や皮膚が弱かったりする人におすすめです。
その他の条件
保湿成分が含まれていること
頭皮の乾燥はフケを増やします。フケは頭皮の炎症や毛穴の詰まりの原因となり、薄毛や抜け毛を招くためしっかりと保湿をしてくれるシャンプーやトリートメントを選ぶとよいでしょう。
代表的な保湿成分にはヒアルロン酸やグリセリン、ブチレングリコール、天然保湿因子(NMF)、海藻エキスなどが該当します。フケが多い人におすすめです。
殺菌、抗菌成分が含まれていること
皮脂は頭皮や毛髪の健康のために必要なものですが、皮脂を栄養源として増殖するカビも存在します。このカビが増殖すると頭皮に炎症が発生し、毛髪の健全な発育を阻害します。殺菌、抗菌成分が入ったシャンプーを利用することでカビの増殖を防ぐことができます。
代表的な殺菌、抗菌成分にはサリチル酸、ローズマリーエキス、ラベンダーエキス、セージ葉エキスなどが該当します。皮脂が多い人やフケが多い人におすすめです。
血行を促進する成分が含まれていること
加齢とともに血管の機能が低下すること、ストレスにより交感神経が刺激され血管が収縮することなどは血流を阻害し、頭皮や毛母細胞に十分な栄養素や酸素の供給を阻害します。血行を促進させることで毛髪の発育を促すことができます。代表的な血行促進成分はオウゴンエキス、センブリエキス、ショウキョウエキス、プラセンタエキス、ミノキシジル誘導体などが該当します。髪の毛が細かったり中高年代に差し掛かったりした人におすすめです。
育毛剤の選び方
朝起きた時やシャンプーをした時にゴソッと髪の毛が抜ける、全体的に髪にボリュームがなくなってきた、地肌が目立つなどの自覚症状がある場合は育毛剤を使用してみることも選択肢にいれましょう。育毛剤を選ぶ時のポイントは以下になります。
毛母細胞の働きを活発にする成分が含まれていること
「毛母細胞」は毛根に存在する細胞分裂を行う細胞です。毛母細胞が働くことで毛髪は発育して伸びていきます。毛母細胞の働きを活発にすることで健康な毛髪を作ることが可能です。毛母細胞を活発にする代表的な成分はセンブリエキス、ジオウエキス、テニルアルコールなどが該当します。薄毛が目立つようになった人、抜け毛が多くなった人におすすめです。
5αリダクターゼを抑制する作用のある成分が含まれていること
5αリダクターゼは男性ホルモンのテストステロンをDHTというより強い作用をもつ男性ホルモンに変化させる作用があります。その 5αリダクターゼを抑制することで前頭部や頭頂部の 薄毛や抜け毛を防ぐことができます。5αリダクターゼを抑制する代表的な成分はオウゴンエキス、ヒオウギエキス、ビワ葉エキス、大豆エキスなどが該当します。薄毛、抜け毛に広く効果的ですが、特に予防の段階での使用がおすすめです。
医療機関での薄毛の治療
男性の薄毛の9割以上はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは広く知られている症状であるため、治療するための専門のクリニックが全国に存在しています。薄毛の治療は基本的には皮膚科が診療科になりますが、薄毛やAGAの治療を専門的に行っているとは限りません。事前に調べるか薄毛専門のクリニックを探したほうがよいでしょう。薄毛専門のクリニックでの診察、治療は以下のように行われます。
専門家によるカウンセリング
治療にあたってまずはカウンセリングを行います。カウンセリングの内容は各クリニックによって異なりますが基本的には問診と毛髪の現状確認、治療法の説明、および費用の提示になります。その際は以下の情報をあらかじめ用意してあるとスムーズでしょう。
- 血縁者の頭皮、毛髪の状態
- 既往症の有無
- いつ頃から薄毛・抜け毛が気になるようになったか
- 前回の健康診断の結果
カウンセリング自体は無料のところがほとんどです。カウンセリングの内容に基づいて治療を開始していきます。
治療の開始
費用、必要な期間などの合意が取れたら治療を開始していきます。血液検査やさらに詳細なAGAリスク遺伝子検査などを行い、治療方法を決めていきます。男性のAGAや薄毛の治療は基本的に内服薬を使用することで行います。AGAの原因となる5αリダクターゼを抑制するプロペシア、発毛を促進する作用のあるミノキシジルなどを処方し1か月ほど様子を見ます。処方薬が切れたら再診を受け、頭皮と毛髪の状況を確認して効果を測定します。
その他の治療法
薄毛・AGAの症状の度合い、内服薬での治療の効果のほどによってはそのほかの治療法も検討されます。その他の治療法には以下のようなものがあります。
育毛メソセラピー
育毛メソセラピーは細い針やレーザー、超音波を用いてミノキシジルやシステイン、各種アミノ酸、ビタミンなどを頭皮に直接注入・浸透させて毛髪の発育を促す治療法です。症状のある部位に直接有効成分を注入・浸透させるため効果が高い治療法となります。針を利用する場合は多少の痛みが発生することもありますが、レーザーや超音波を使う方法を取ればほぼ無痛です。
植毛
薄毛・AGA治療の選択肢として植毛という手段も取ることができます。薄毛が進行した部分に物理的に毛髪を植えるため薄毛の治療には最も効果が高い方法となります。AGAの影響をあまり受けない後頭部や側頭部の毛髪を毛根ごと頭頂部や前頭部に移植する自毛移植と、人工的に作られた毛を移植する人工毛移植が存在します。
治療にかかる費用の目安
薄毛の治療は保険を適用することができません。そのため費用は治療を受けるクリニック毎で異なります。おおよその目安として内服薬による治療は半年ほど継続したとして10-20万円ほど、育毛メソセラピーによる治療は1回5-10万円ほど、植毛による治療は本数や移植する毛の種類によって数十万から数百万までの開きがあります。
薄毛専門のクリニックを選ぶ際のポイント
薄毛専門のクリニックを選ぶ際は以下のポイントに気を付けて選びましょう。
無料のカウンセリングを実施している
事前にカウンセリングを行うことで頭皮や毛髪、体質に合わせた治療を行うことができます。しっかりとカウンセリングを行ってくれるクリニックが安心して治療を受けられるでしょう。
費用が明確である
薄毛・AGA治療は植毛治療まで選択肢にいれると治療費が際限なく高くなります。事前に費用を明確に提示してくれるクリニックが安心です。
様々な選択肢を提示してくれる
薄毛・AGAの治療は内服薬や注射、レーザー、超音波、植毛といった方法から生活習慣の改善指導、サプリメントによるものなど様々な手段があります。頭皮と毛髪の状況に合わせて適切な治療を行うことが重要なため、選択肢を様々に用意してくれるクリニックを選ぶとよいでしょう。
3:男性の薄毛によくあるQ&A
薄毛については遺伝の要素が大きいと考えられています。そのため血縁者に薄毛の人がいる場合は予防のため入念なケアを行いましょう。一般論になってしまいますが
- 規則正しい生活をする
- 脂っこい食べ物を食べすぎない
- ストレスは溜めない
- シャンプー、育毛剤で薄毛が発生する前からケアをする
といった対策を行いましょう。
毛髪の後退が左右非対称であること自体は自然なことです。しかし片側は全く後退していないのにも関わらず、もう片側の後退が著しい場合、かゆみが発生している場合はなんらかの疾患が発生している可能性があります。かゆみがあるということなので、炎症が発生している可能性が高いでしょう。診療科としては皮膚科になります。
肌が弱い人でも利用できるシャンプーや育毛剤はあります。2:男性の薄毛の予防策・改善策で解説しているようにアミノ酸系シャンプーは肌や毛髪と同じく弱酸性で自然の成分であるため肌に優しいことが特徴でおすすめです。
育毛成分やアミノ酸、ビタミンなどを頭皮に直接注射する方法もあります。そのほか有効成分をレーザーや超音波で浸透させる方法もあります。注射が苦手な場合は痛みのない方法を選ぶことができます。
薄毛・AGAの治療は保険が適用されません。
薄毛・AGAは診療科で言えば皮膚科です。しかし皮膚科でも専門的に治療を行っているところとそうでないところがあります。とりあえず相談してから治療をするかどうかを決めたいならば症例を豊富に経験している薄毛・AGA治療専門のクリニックに行くとよいでしょう。カウンセリング自体は無料のところが多いため初診料と合わせても5000円ほどで相談ができると思います。
男性の薄毛対策のまとめ
男性である以上、薄毛・抜け毛は決して関係のない話ではありません。特に血縁者に薄毛の人がいる場合は大きく関係します。しかし技術の発達により薄毛は予防や治療が可能になっています。
薄毛がコンプレックスの人も将来薄毛になることが不安な人も過剰に心配する必要はありません。この記事で紹介した対策を今日から行ってみてください。
帝京大学医学部卒業。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、サプリメントアドバイザー。 日本麻酔科学会、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員、生活習慣病アドバイザー。
「治療」よりも「予防」を重視して診療にあたる現役医師。麻酔科医として勤務するだけではなく、加齢による身心の衰えや疾患に対するアドバイスを行う。