ミネラルの働き

ミネラルは、体内での化学反応を円滑にし、また体の組織作りにも利用されます。 人間の体は酸素,炭素,水素,窒素の主要元素で体重の約97%が作られています。 残りの3%がミネラルになります。ミネラルもビタミン同様生命を維持していくための必須栄養素で、欠乏すると死にいたることもあります。ミネラルには様々なものがありますが、必須栄養素としては16種類といわれています。

ミネラルとは

ミネラルの代表は鉄やカルシウム,亜鉛,銅など。鉄や亜鉛,銅は栄養というよりも鉱物として知っている人も多いと思います。なんの栄養分もなさそうな鉱物に、人間の体の調子を整える重要な働きがあるのです。例えば鉄が欠乏すると貧血に、カルシウムが不足すると骨がもろくなります。その他ミネラルは抗酸化酵素を作り出すときに使われるので、ミネラルが不足してしまうと活性酸素で体が錆びてしまい病気になってしまいます。ミネラルが不足すると体にはいろいろな不調が起きてしまいますが、ミネラルは過剰摂取も病気の原因になります。ナトリウムの過剰摂取は高血圧の原因になります。高血圧の人が医師から塩やみそ,醤油などを控えるようにいわれるのはこれらの調味料にナトリウムがたくさん含まれているから。ミネラルは過不足無く摂るようにしないと病気の原因となります。


ミネラルの種類と働き

ナトリウム

ナトリウムの主な働きは、細胞膜を通しての物質交換です。ナトリウムは細胞の外側に存在し、細胞膜の浸透圧や細胞液のPH度,水分調整などに深く関係しています。 ナトリウムが不足すると、細胞膜の浸透圧の低下によって血液が細胞内に入り、循環する血液量が不足します。その結果、食欲不振や筋力の低下などを引き起こします。 また過剰摂取は細胞内液が細胞外に移動することで、血圧上昇やむくみなどを引き起こします。他に、胃液や腸の消化液の生産などに関係しています

カリウム

カリウムは細胞壁の内側に存在し、細胞の内側と外側での物質交換に関係しています。ナトリウムと相反する関係にあります。カリウムが増えると、血液から細胞内に水分が移動し、その結果として血圧が下がります。 またカリウムが減ると逆の作用が働き血圧が上昇します(ナトリウムが増えたのと同じ状態)。つまり血圧は、ナトリウムとカリウムの量によって調整されています。 カリウムはこの他に、エネルギー生産酵素の活性化,タンパク質合成への関与,腎臓の老廃物排泄の促進などの働きがあります。

カルシウム

カルシウムの主な働きは、骨の組織の作成,酵素の活性化,精神安定,鉄の代謝,心筋や筋収縮に関与,細胞の結合,ホルモン分泌の活性化などがあります。 骨を強くするためにはカルシウムをたくさん摂りましょうといわれます。しかしそのためにはカルシウムだけでは機能しません。なぜなら骨の構造は、コラーゲン繊維にリン酸カルシウムがつき、その隙間をマグネシウムが覆っているためです。 そして、骨が成長するためには、ビタミンD,K,Cなどの栄養素が関わっているため、バランスの良い栄養の摂取が大切になります。 カルシウムが不足すると、くる病,骨粗鬆症,歯痛,筋力低下,神経過敏,いらいら,抵抗力低下,高血圧,動脈硬化,アレルギー症などの症状が出ます。

マグネシウム

マグネシウムの主な働きは、心臓や筋肉の働きを正常に保つ,精神安定,脂肪の代謝,血圧の正常化などがあります。以前は欠乏することがないとわれていましたが、最近では欠乏症の方も増えてきています。 カルシウムに比べてマグネシウムの摂取量が少ない国では、狭心症、心梗塞などの虚血性心疾患で死亡する人の割合が高いという疫学調査があります。この他の多くの研究がマグネシウム不足が心臓麻痺の原因になることを示しています。 マグネシウムが不足すると、貧血,不整脈,疲労感,動悸,錯乱,無気力,集中力低下などの症状が出ます。

リン

リンの主な働きは、カルシウム,ビタミンDなどと共に相互作用で働きます。

塩素

塩素は胃液の中で消化に働きかけ、血液中ではPH度を調節する働きをします。塩素は食塩から摂取できます。

硫黄

硫黄は、主に髪の毛や皮膚を構成するたんぱく質の成分として関わりがあるのが硫黄です。不足すると、皮膚,髪の毛,爪などに障害を起こすといわれています。

鉄の主な働きは、赤血球のヘモグロビンの成分として、肺から吸収した酸素を各細胞まで運ぶ働きをします。またミオグロビンの成分として筋肉中のエネルギー代謝に酸素を供給します。またチトクロームの成分として、細胞内のエネルギー生産に関わっています。 鉄が不足すると、貧血,息切れ,不眠などの貧血症や、食欲不振,慢性胃炎,下痢などの胃腸障害や思考力低下,神経過敏などの症状が出ます。 鉄の一日の必要量は1mgと少ないのですが、吸収率が10%程度と低いため、食品から摂る場合は多めに摂る必要があります

亜鉛

亜鉛の主な働きは、約200種類の代謝に関わる酵素に働きかけます。その他インシュリンの構成成分,ビタミンCとともにコラーゲンの合成に関与,細胞膜の抗酸化など、その作用は15種類以上にもなります。 亜鉛が不足すると、肌荒れ,にきび,脱毛,傷の回復の遅れ,インポテンツ,情緒不安定,錯乱などの症状が出ます。

銅の主な働きは、活性酸素の解毒,鉄と共にヘモグロビンの合成,尿酸分解酵素の構成成分となるなどの働きがあります。 銅が不足すると、動静脈瘤の原因,心臓の衰弱,体脂肪の参加による息切れやだるさ,骨粗鬆症などの症状が出ます。

ヨウ素

ヨウ素は、甲状腺ホルモンのチロキシン,トリヨードチロニンの構成成分です。従って甲状腺ホルモンが関わる、子供の成長や大人の基礎代謝,アドレナリンや成長ホルモンの働きに大きな関係があります。 ヨウ素が不足すると、ホルモンの合成が弱まるためだるさや低血圧,むくみ,無気力,子供の発育不全などの症状が出ます。

マンガン

マンガンの働きは、SOD(抗酸化酵素)の構成要素となり細胞膜を酸化から守ります。またコレステロール,性ホルモン,インスリン,チロキシンの生成,免疫などに働きかけます。 マンガンが不足すると、骨や軟骨組織の発育不全,インスリンや甲状腺ホルモンの合成不良,エネルギー不足からくる疲れ,体重の減少などの症状が出ます。

クロミウム

クロミウムの主な働きは、インスリンの働きを助けるGTFという物質となります。 クロミウムが不足すると、血糖値の上昇,体重減少,末梢神経炎,糖尿病,動脈硬化などの症状が出ます。

コバルト

コバルトは体内でビタミンB12の働きに関わっていると言われています。コバルトが不足したときの症状は解明されていません。

モリブデン

モリブデンの主な働きは、硝酸や亜硫酸還元酵素,アルデヒド酸化酵素などを構成する物質として働きます。また、鉄の造血作用やブドウ糖や脂肪の代謝にも関与していると言われています。コバルトが不足したときの症状は解明されていません。

セレニウム

セレニウムの主な働きは、活性酸素によって酸化された脂質(過酸化脂質)を破壊する抗酸化作用です。また、エネルギーの元となるATPの生成にも関わっています。セレニウムが不足すると、心筋梗塞,筋肉の衰弱,ガンなどの症状が出ます。

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