葉酸とは

葉酸はビタミンB群のうちのひとつで、水溶性のビタミンです。ビタミンB群は葉酸以外にビタミンB1,B2,ナイアシン(ニコチン酸),B6,パントテン酸,ビオチン,B12の8種類です。葉酸は1944年にほうれん草の「葉」から発見されました。名前の通り「葉」に多く含まれるビタミンです。葉酸は細胞分裂とDNAの合成に関わり、細胞分裂のキーとなる核酸やチミンの合成に補酵素として働きます。そのため葉酸は新陳代謝や細胞分裂が活発な組織で必要になるビタミンです。爆発的な細胞分裂をして急激に成長していく胎児や消化器官の粘膜,赤血球の製造などで葉酸は必要になります。

葉酸の効果・効能は、神経管欠損症(NTD)など胎児の先天性奇形の予防や心臓病の予防効果や肺ガン,直腸ガン,子宮頸ガン,貧血の予防,母乳の出を良くするなどです。

葉酸を多く含む食べ物

葉酸は、ほうれん草,ブロッコリー,レタス,キャベツ,豆類(枝豆,空豆,インゲン豆など),レバーなどの食品に多く含まれています。とくに濃緑色野菜や葉物野菜に多く含まれています。

葉酸はビタミンB6,B12,ビタミンCとの相互作用で働きます。葉酸だけを摂っても他のビタミンが無いと充分な効果が発揮できません。またB6,B12,ビタミンC以外のビタミンやミネラルも間接的に関係してくるので、葉酸を単独で摂るという考え方ではなくバランス良くいろいろなビタミン,ミネラルを摂っていくことがとても大切です。

特に気をつけたいのがB12不足。B12は貝やレバー,マグロ,のりなど動物性の食品に多く含まれるビタミンです。野菜にはほとんど含まれていません。

葉酸の効果・効能

神経管欠損症(NTD)など胎児の先天性奇形の予防

葉酸を妊娠前1ヶ月から妊娠3ヶ月ごろの妊娠初期に多めに摂取することで、神経管欠損症(NTD)など胎児の先天性奇形の予防効果があります。NTDは受胎後1ヶ月以内に発生するので、妊娠に気がついてから葉酸を摂りだしたのでは遅すぎます。妊娠の可能性がある女性は葉酸を1日0.4mg程度摂取するとNTDの危険性が低減します。妊娠中は0.4mg程度、授乳中は0.3mg程度葉酸を摂ると胎児や赤ちゃんの正常な発育に効果があります。

イギリスでの葉酸のNTD予防効果の研究
過去にNTDの子供の出産経験がある1,800人の女性を対象に、受胎1ヶ月前から葉酸を1日4mg摂取したグループでは、葉酸を摂取しなかったグループと比べてNTDの子供が生まれる確率が72%下がっています。

ハンガリーでのNTDの研究
マルチビタミン剤(葉酸を0.8mg含む)を受胎1ヶ月間から摂っていた女性が出産した赤ちゃんのNTDの発生率が著しく減少したとしています。

心臓病の予防

含硫アミノ酸のホモシステインの血中濃度が上がってしまうと心臓病のリスクが高まります。 葉酸はビタミンB12との相乗効果でホモシステインの血中濃度を下げる働きがあります。

ハーバード大学での研究
葉酸を多く摂ったグループの心臓病の発生率は、葉酸の摂取が最も少ないグループと比べて31%も低くなったと報告しています。

貧血の予防

葉酸は赤血球を作るのに欠かせないビタミンです。葉酸が不足すると正常な赤血球が作れなくなり貧血の原因になります。

子宮頸ガンの予防

アラバマ大学が14年間子宮頸ガンの危険性がある女性の追跡調査を舌結果。葉酸を投与すると子宮頸ガンの発生率が1/2から1/5に低下したと発表しています。

葉酸の欠乏症について

葉酸が不足すると細胞分裂やDNAの複製が正常に行えなくなります。日本人の食生活では葉酸は不足しにくいといわれていますが急激に変化する食生活や野菜の栄養価不足により葉酸不足になってしまう危険は充分考えられます。また飲酒や経口避妊薬の摂取で葉酸は消費されてしまいます。特に飲酒量が多い人は葉酸不足になりやすいので注意が必要です。葉酸不足で起こる貧血は、葉酸が不足しだしてから4ヶ月後頃に症状として表れてきます。そのためなかなか気づきにくいのが葉酸の欠乏症です。葉酸の欠乏症としては

などの症状がでます。

葉酸の摂取量と推奨量

葉酸の推奨量として厚生労働省では、成人で240μgとしています。 上限量の1,000μgはサプリメントなど(食品以外)から葉酸を摂る場合の上限量です。葉酸の平均摂取量は男性で264-285μg、女性で244-285μgです。特に妊娠初期の女性は普段の食事だけでは推奨量にすら達していません。妊娠初期から妊娠中の女性はサプリメントを使って葉酸を補給するのが現実的です。

葉酸(μg/日) 摂取基準2005年版
年齢 推奨量 目安量 上限量
0-5(月) - 40 -
6-11(月) - 60 -
1-2(歳) 90 - -
3-5(歳) 110 - -
6-7(歳) 140 - -
8-9(歳) 160 - -
10-11(歳) 200 - -
12-14(歳) 240 - -
15-17(歳) 240 - -
18-29(歳) 240 - 1,000
30-49(歳) 240 - 1,000
50-69(歳) 240 - 1,000
70以上(歳) 240 - 1,000
妊婦(付加量) +200 - -
授乳婦(付加量) +100 - -

葉酸の副作用と過剰症

葉酸は水溶性のビタミンのため過剰症の心配はまずありませんが、葉酸の摂りすぎで亜鉛の吸収率の低下,ビタミンB12不足の発見が遅れてしまうなどが起きてしまいます。過剰症の心配はありませんが摂りすぎには注意しましょう。一部の医薬品(抗ガン剤)との併用でアレルギー症状の副作用が報告されています。葉酸をサプリメントで摂る場合、特にガン治療中の方は主治医に相談した方が良いでしょう。

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