ビタミンA(ベータカロテン)の効果と効能 抗酸化作用,視力維持,皮膚や粘膜の保護作用,がんの予防効果

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ビタミンA(ベータカロテン)とは

緑黄色野菜ビタミンA(レチノール)は機能維持(視覚,聴覚,生殖など),保護作用(皮膚,粘膜など),成長促進(子どもの発育)などに関与する脂溶性のビタミンです。

ビタミンAはレチノール(ビタミンA1) ,3-デヒドロレチノール(ビタミンA2) ,それらの誘導体があり、酸,空気,熱,光に対して不安定な性質をしています。レバー,あんこうの肝,うなぎの蒲焼など動物性食品に多く含まれています。

人参,かぼちゃ,パセリなど緑黄色野菜に含まれる色素のカロテノイドは体内でビタミンA(レチノール)に変換されます。カロテノイドの中でもビタミンA(レチノール)の効力をもつものは、α-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン,β-クリプトキサンチンなどの一部に限られ、なかでもβ-カロテンは効率よくビタミンAへ変換されます。

現在の日本人の食生活ではビタミンA(レチノール)が不足することはあまりありませんが、低タンパク,低栄養状態が続いて欠乏すると夜盲症や角膜乾燥症を引き起こす要因となります。

β-カロテンは植物性の食品に由来し、必要に応じてビタミンAに変換されるため、過剰症の心配はありません。

ビタミンA(ベータカロテン)を多く含む食べもの

ビタミンA,ベータカロテンはそれぞれ次のような食品に多く含まれています。

ビタミンA

    レバー
  • あんこうの肝 100g:8,300μg
  • 鶏レバー1個 50g:7,000μg
  • うなぎの蒲焼き1串 100g:1,500μg

β-カロテン

    にんじん
  • 人参 茹で 1/2本 100g:8,900μg(740μg)
  • かぼちゃ 茹で 1/8個 100g:4,000μg (330μg)
  • ほうれん草 茹で 50g:2,700μg (225μg)
  • 大根の葉 茹で50g:2,200μg (185μg)
  • パセリ 生1本 10g:740μg(62μg)
  • シソの葉 2枚 2g:220μg(18μg)
  • 干し海苔 3g:1,140μg (108μg)
ビタミンAの効力を表す用語は「レチノール当量(RE)」が使われています。β-カロテン12μgがレチノール当量1μgに相当します。()内はレチノール当量の換算量です。


脂溶性ビタミンのビタミンA(レチノール)は水に溶けにくいため、体内に蓄積しやすく、過剰摂取による障害を引き起こす可能性があります。そのため、ビタミンA(レチノール)には摂取量の耐容上限量が定められ、ビタミンA(レチノール)を含むサプリメントの摂取は推奨されていません。

β-カロテンはビタミンA(レチノール)の供給源となり、過剰摂取による健康障害を引き起こすことは知られていません。しかし、サプリメントとしての摂取は、ビタミンA(レチノール)不足の補給の場合に利用され、一般的に勧められていません。

ビタミンA(ベータカロテン)の生理作用・メカニズム

ビタミンA1とA2ビタミンAはレチノール(ビタミンA1系),3-デヒドロレチノール(ビタミンA2系)があります。

植物色素に含まれるα-,β-,γ-カロテンやβ-クリプトキサンチンは体内に入るとビタミンA活性を有する化合物に変換され、プロビタミンAと呼ばれています。

動物由来のビタミンA体内ではビタミンA(レチノール)は合成されず、動物性食品に含まれるレチニルエステルや植物食品に含まれるβ-カロテンを利用しています。

食事で摂取されたビタミンA(レチノール)は脂肪とともに、小腸粘膜上皮細胞から吸収されます。

植物由来のビタミンA

カロテンは小腸粘膜上皮細胞に吸収されてレチナールになり、レチナールが還元されると、レチノールに変化し、酸化されるとレチノイン酸に変わります。

この変換は、体内でビタミンA(レチノール)が不足しているときに必要量だけ変換され、必要のない時は変換されず、脂肪細胞に貯蔵されるか、もしくは排泄されます。

体内のビタミンAの約80%は肝臓の肝臓星細胞(別名:ビタミンA貯蔵細胞,介在細胞,リポサイト,脂肪摂取細胞)に貯蔵され、肝臓星細胞は全身のビタミンAのホメオスタシス(恒常性)を調整しています。

レチノールは脂溶性ビタミンのため、食物で摂りいれた際、水にほとんど解けません。そのため、レチノール結合タンパクと結合して可溶化し、血液中に分泌され、各組織に運ばれます。

β-カロテンの吸収率
β-カロテン1分子からレチノールの2分子が生成され、実際の転換効率は50%とみなされています。食材の調理法や健康状態により、β-カロテンの吸収率は異なり、食品に由来するβ-カロテンのビタミンA効力は12μgがレチノール1μgと換算されています。


ビタミンA(ベータカロテン)の効果,効能

ビタミンA(β-カロテン)には次のような効果,効能があります。

ビタミンA(ベータカロテン)不足をセルフチェック

次のような場合、ビタミンA(β-カロテン)が不足している可能性があります。

不足はしていないが、多めに摂った方がいい人

次にあてはまる場合、ビタミンA(β-カロテン)を多めに摂るよう心がけて下さい。

  • 緑黄色野菜が苦手な方

ビタミンA(β-カロテン)は緑黄色野菜に多く含まれています。緑黄色野菜が苦手な方は、果物と合わせた野菜ジュースを利用してみましょう。

また、β-カロテンは脂質と合わせると効率よく吸収されるので、野菜を肉や魚と合わせて食べやすい調理法も活用してみてください。

ビタミンA(ベータカロテン)がやや不足していると生じる症状(潜在性欠乏症)

肌荒れ次にあてはまる場合、ビタミンA(β-カロテン)が不足している可能性が高いです。積極的な摂取が必要です。

  • 肌荒れ
  • 皮膚の乾燥
  • 視力の低下

ビタミンA(β-カロテン)は油と相性が良く、油で炒めたり、脂質を多く含む種実と合わせたりすると吸収率が上がります。

ほうれん草の胡麻和え,人参の金平などのメニューを献立に加えてみましょう。

ビタミンA(ベータカロテン)が完全に不足していると生じる症状(欠乏症)

現在の日本の食生活ではビタミンA(β-カロテン)が完全に不足することはありませんが、食の多様化や偏食により、ビタミンの摂取量は不足しがちです。

  • 夜盲症
  • 免疫力低下

厚生労働省が定める「健康日本21(第二次)」では、成人の野菜摂取の目標は1日350g以上とされ、そのうち緑黄色野菜は120g以上と推奨されています。食生活の多様化や偏食により、多くの方が目標量を満たせていません。

旬の食材を活用し、食材の彩(緑,黄,赤,橙,紫など)が楽しめるメニューを増やしていくと、ビタミンA(β-カロテン)の摂取量も増えていきます。

潜在性欠乏症・欠乏症とは?

潜在性欠乏症とは、慢性的にミネラルが欠乏している状態です。「なんとなく体調が悪い」という症状が続き、この状態が長く続くと、生活習慣病にかかるリスクが高くなります。

欠乏症とは体内のミネラル分が欠乏している状態です。よくおこる症状としては、ヨウ素欠乏による甲状腺腫や欠乏による貧血、カルシウム不足による骨粗鬆症亜鉛不足による味覚障害、カリウム不足による循環器疾患です。

ビタミンA(ベータカロテン)の推奨量と摂取量・上限量

性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量2 推奨量2 目安量3 耐容上限量3 推定平均必要量2 推奨量2 目安量3 耐容上限量3
0~5(月) 300 600 300 600
6~11(月) 400 600 400 600
1~2(歳) 300 400 600 250 350 600
3~5(歳) 350 500 700 300 400 700
6~7(歳) 300 450 900 300 400 900
8~9(歳) 350 500 1,200 350 500 1,200
10~11(歳) 450 600 1,500 400 600 1,500
12~14(歳) 550 800 2,100 500 700 2,100
15~17(歳) 650 900 2,600 500 650 2,600
18~29(歳) 600 850 2,700 450 650 2,700
30~49(歳) 650 900 2,700 500 700 2,700
50~69(歳) 600 850 2,700 500 700 2,700
70以上(歳) 550 800 2,700 450 650 2,700
妊婦(付加量)

初期

⁺0 ⁺0
中期 ⁺0 ⁺0
後期 ⁺60 ⁺80
授乳婦(付加量) ⁺300 ⁺450
  1. レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+ β-カロテン(μg)×1/12 + α-カロテン(μg)×1/24 + β-クリプトキサンチン(μg)×1/24 + その他のプロビタミンAカロテノイド(μg)× 1/24
  2. プロビタミンAカロテノイドを含む。
  3. プロビタミンAカロテノイドを含まない。

ビタミンA(ベータカロテン)の効果的な摂り方

ビタミンA(β-カロテン)の効果をアップさせる摂り方を紹介します。

効果をアップさせる摂り方

野菜炒め野菜の彩(緑,黄,赤,橙,紫など)が豊富な献立は、ビタミンA(β-カロテン)を多く摂取できる目安となります。

また、ビタミンA(β-カロテン)は、油と合わせて摂ると、吸収率がアップします。炒め物、種実合わせた和え物など調理法を工夫すると、吸収率が高まります。

ビタミンA(ベータカロテン)とあわせて摂りたいビタミン,ミネラル

抗酸化作用の高いビタミンCビタミンEと合わせてとると、相乗効果があります。

ビタミンA(ベータカロテン)の作用を邪魔するビタミン,ミネラル

特にありません。

摂取期間の目安

β-カロテンはビタミンA(レチノール)の前駆体として、必要に応じてビタミンA(レチノール)へ変換されます。

ビタミンA(レチノール)は成長,生殖,免疫,中枢神経作用に関与するため、継続して摂取する必要があります。

ビタミンA(ベータカロテン)摂取の注意点

ビタミンA(β-カロテン)の摂取の際は次の点にご注意ください。

ビタミンA(ベータカロテン)の副作用

β-カロテン等のカロテノイドは、体内で過剰となると、ビタミンA(レチノール)への変換が減少するので、過剰摂取による健康障害を起こすことはありません。

摂りすぎると、掌などの皮膚が黄色くなり、これは血中のカロテノイド濃度が上昇することで起こります。摂取を止めると治まりますので、健康に有害はありません。

ビタミンA(レチノール)は普段の食事による過剰症はあまりありませんが、サプリメントや薬剤等で大量服用や長期服用した際に、急性の症状として腹痛,悪心,嘔吐,めまいなどを引き起こすことがあります。

慢性の中毒症状としては、全身の関節や骨の痛み,皮膚乾燥,脱毛,食欲不振,胎児の奇形,骨密度の減少などが挙げられます。

ビタミンA(ベータカロテン)を摂ってはいけない人,注意を要する人

レバー

  • β-カロテンは、特にありません。
  • ビタミンA(レチノール)の摂取は、服用中の方、妊婦,授乳中の方は摂取量にご注意ください。

一緒に摂ってはいけない成分,食品,薬など

β-カロテンは、特にありません。

ビタミンA(レチノール)を医薬品として用いる場合、

  • トレチナート製剤を投与中の患者、
  • トレチノイン製剤を投与中の患者、
  • 妊娠3 か月以内又は妊娠を希望する婦人

へのビタミンA 5,000I.U.(1,500μgRE に相当)/日以上の投与(ビタミンA 欠乏症の婦人は除く)は禁忌とされています。

ビタミンA(ベータカロテン)のよくある疑問Q&A

野菜に含まれるベータカロテンは加熱すると効果がなくなってしまいますか?おすすめの調理方法を教えてください。

β-カロテンは熱に強く、油と合わせると吸収率が高まります。炒め物や脂質を含む食材(ゴマ,アーモンド,ピーナッツ,くるみなど)を合わせた和え物は、効率良い摂り方です。

「ベータカロテン」と「ベータカロチン」は別のものですか?

同じものです。英語表記 (catotene カロテン)とドイツ語表記(Carotin カロチン)により、読み方が異なります。従来は、ドイツ語表記(Carotin カロチン)が使われていましたが、「食品成分表2016年度版」では英語表記 (catotene カロテン)が使用されています。

ベータカロテンはシミに効果があると聞いたのですが、なぜですか?

シミは肌に沈着したメラニン色素が原因です。メラニン色素は皮膚を紫外線から守り、新陳代謝が正常に行なわれていると、古いものは剥がれ落ちて新しいものと生まれかわります。しかし、新陳代謝の周期が遅れてくると、古いものが滞り、シミとなって沈着していきます。

β-カロテンは抗酸化作用を有し、紫外線による活性酸素を抑制する作用があります。また、体内で変換されるビタミンA(レチノール)には新陳代謝を促す作用があり、シミの改善に役立ちます。
もっと詳しく:シミを消す方法~効果のある美白化粧品・サプリメントで予防・対策

ルテイン、リコピン、ベータカロテンの違いは何ですか?

植物に含まれる黄,赤,橙を表す色素のカロテノイドです。カロテノイドはカロテン類とキサントフィル類に分類されます。

カロテン類 約60種類 リコピン,α-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン
キサントフィル類 その他 カプサンチン,ルテイン,ゼアキサンチン,クリプトキサンチン

ルテイン
ほうれん草,人参,かぼちゃに含まれている黄色色素を表すカロテノイドです。強い抗酸化作用があり、人の身体では眼の黄斑部や水晶体に存在しています。

紫外線や青色の光(パソコン,スマートフォン,携帯,蛍光灯,テレビなど)を吸収し、眼疾患を予防する働きがあります。黄斑変性症や白内障など目の病気、肌の老化などが気になる方におすすめです。

リコピン
トマト,スイカなど赤色色素を表すカロテノイドです。抗酸化作用が高く、美容、血糖値低下、動脈硬化防止、がん予防などに注目されています。紫外線を多く浴びる方、血糖値や悪玉コレステロール値が高めの方におすすめです。
もっと詳しく:トマト・リコピンの効果と効能 高い抗酸化力・血糖値を下げる・ダイエット効果
ベータカロテン
人参,かぼちゃ,唐辛子などに含まれる黄色または赤色の色素を表すカロテノイドです。体内でビタミンA(レチノール)に変換され、ビタミンAの効力をもちます。抗酸化作用が強く、美容やアンチエイジング、免疫力強化に役立ちます。シミ,乾燥など肌のトラブル、視力低下の症状がある方におすすめです。

ビタミンAは過剰摂取に注意が必要とのことですが、ビタミンA配合のクリームなどを肌に塗る場合、摂取量の合計にカウントされますか?食べ物からの摂取だけ気をつければ大丈夫でしょうか?

ビタミンA(レチノール)は肌のコラーゲンを合成する作用があり、肌質の改善に効果の高い成分です。化粧品に配合されるビタミンA(レチノール)の濃度は低く、食べ物から摂取するビタミンA(レチノール)と合算するほどの量ではありません。しかし、ビタミンA(レチノール)は刺激が強く、肌質に合わない場合、肌にトラブルが生じる要因ともなります。肌が荒れてしまう場合は、使用を中止してください。

ビタミンA(ベータカロテン)のまとめ

ビタミンA(レチノール)は視力維持,皮膚や粘膜の保護作用のある脂溶性のビタミンです。レバー,うなぎなど動物性食品に多く含まれています。過剰摂取すると、健康に被害を引き起こすため、サプリメントの摂取は勧められていません。

 β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれ、ビタミンA(レチノール)の前駆物質となり、ビタミンA効力をもちます。ビタミンA(レチノール)へ変換されないβ-カロテンは抗酸化物質として働き、美容,アンチエイジング,生活習慣病の予防などの効果が注目されています。
 
 

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ベータカロテンを含む12種類のビタミンと、10種類のミネラルを同時に摂ることができます。ベータカロテンがきちんと働くにはさまざまなビタミンとミネラルが必要。マルチビタミン・ミネラルで取る方がよりベータカロテン単体で摂るよりも、より働いてくれます。



【執筆者】管理栄養士 afcom

管理栄養士 afcom氏米国にて高等教育終了後帰国し、食物栄養学部を卒業。大学研究室にて秘書、翻訳を経験後、現在管理栄養士として栄養関連記事の執筆、栄養指導、英日・日英翻訳に従事。

「シンプルな食スタイルで元気になりたい」こんな思いを伝えていきたいと、日々探求しています。

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